先日、19日夜間から20日早朝にかけて行われた「おおさか東線」建設に伴う「JR学研都市線上り線・線路切り替え工事」について、あれこれと取り上げています。これで最終回になりました。

やって来ているのは、切り替え工事区間の中間に位置する「鴫野駅(しぎのえき、大阪市城東区)」。
新装なった「3番線ホーム」から、駅コンコースへと降りて来ました。
まだきれいな内装だなと感じるとともに、各駅停車しか停車しない駅としてはなかなか広い構内です。
それでも、現在建設が進められている「おおさか東線」が来春に開業すると、右側の壁面の向こうには「1・2番線ホーム」が出来るので、さらに広いコンコースになりそうです。

この駅は「大阪メトロ 今里筋線(いまざとすじせん)」と接続しています。
4月に新会社になって間もなく2カ月の「大阪メトロ」ですが、個人的にはまだまだなじめないというか…いまだに「市営地下鉄」と呼んでしまいます。
こちらにある地下鉄のイラストなどを見るに、かつての「マルコマーク」がいまだに多く見られるいうこともあるからでしょうか。
しかし、あれだけ各所に多くあるマークですので、すべて「大阪メトロ」のあたらしいロゴへ差し替えるのには、どれくらい時間がかかるでしょうか。
「マルコマーク」についてはこちらもどうぞ↓
当ブログ
さらば!大阪市営地下鉄と「マルコマーク」(2018年3月31日アップ)

改札は1箇所。目の前には「今里筋」が南北に走っています。
「市バス」、もとい、その事業を引き継いだ「大阪シティバス」も頻繁に走るなど、大阪市内でも終日交通量の多い道路です。先ほどの「今里筋線」は、文字通りこの「今里筋」の真下を走り、南端は「今里駅(同東成区)」へと至っています。

この場所へ出て来て気になるのが、頭上に並ぶ四線分のガードでしょうか。
北側にあるのが、来春から「おおさか東線上下線」となるもの。
かつては、ここを「学研都市線上下線」が使用していました。

その南側には、まだまだあたらしい「学研都市線上下線」のガードがあります。つまり、このあたらしい高架橋やガードを設けるに当たっては、かつて北側で運行されていた「旧・学研都市線上下線」の南側に、これらを張りつける形で建設されました(用地はそれ以前から用意されていました)。

高架線の上にあるホームから見ますと、このあたりの真下に当たります。
この駅が高架化されたのは昭和30年代と、比較的早い時期だったので、ガード橋の新旧の差異がよくわかります。


再び、先ほどの地上へ。古びたカード橋に、なにか書かれていますが…

「←すぐ JR西日本 鴫野駅」と書かれていました。
この種のガード橋では、よく用いられる活用例ですね。

ですが、手前にあたらしい高架橋が出来たことにより、本来の目的である「遠方からの視認」が出来なくなってしまいました。こういったものを見つけて、過去の経緯を想像するのは趣味的には楽しいものです。
いまは一時的に使用されていないこの高架橋、架線がすっぱり撤去されているというのも目を引くものです。来春の「おおさか東線北区間」開業に向けて、近いうちに再整備が行われるものと思われます。

その古いガード橋の方、来春からは「おおさか東線上下線」が走る高架下では工事たけなわでした。この記事最初の写真、右端にある壁の向こうがこのあたりになりますので、ここもコンコースの一部になるようです。

かつて「1番線ホーム」があった場所では、わざわざ古いホームを撤去し、このコンコースの場所に合わせてエレベーターの新設工事がなされています。

その階下は…一般の道路だったんですね。
隣の建物との距離もすこぶる近接しているのが見て取れますが、工事完成後は道路として復旧させられるのかな?と思えるほどの狭さです。

再び高架ホームへ。ちょうど、この真下あたりに相当する場所です。

先ほども触れたのですが、もともとこの場所には長年「学研都市線上り線ホーム」がありました。本工事の進捗とともに、昭和30年代に建設されたその旧ホームはいったん撤去され、このようにあたらしいものに作り直しするという、なかなか手間のかかる手順で、工事は進められています。

いろいろと気になるスポットの多い「鴫野駅」でした。それでは、もうすぐ「上り列車」がやって来る時間なので、これに乗り込もうと思います。

いまは空白となっている、ホームの発車案内板。
ここに「2 おおさか東線 新大阪方面」と記されるのももうすぐのことです。

新装なった「学研都市線上り線ホーム」先端部より。
線路切り替え後間もなくで、路盤が固まっていないこともあってでしょうか、「工事注意」の臨時標識がそこにはありました。

さて、シリーズで見て来たこの「おおさか東線」開業に伴う「JR学研都市線・線路切り替え工事」でした。

路線としては比較的、短い距離に相当する「来春の開業」ですが、東西方向に走る路線が多い大阪近郊の鉄道網の中、南北方向に走り、東西方向の路線と多く連絡しているこの「おおさか東線」。
このポスターにあるように、「新大阪駅への乗り入れ」で、広域な鉄道ネットワークが構築されることが期待されています。

あらたに終着駅となる「新大阪駅」というのは、大阪市内にあるとはいえど淀川をわたった街はずれに位置しており、多くの場合では「大阪駅」などで乗り換えが必要な状況なので、この来春の「北区間開業」で、特に「学研都市線」や「大和路線」沿線からでは、劇的に利便性の向上が図られることになりそうです(個人的には、わたしは前者の沿線民なのでなおさら…)。
「線路切り替え」が無事に完了した現在、今度は「おおさか東線」に関する付帯工事が主に進められることになりそうです。そちらの動向についても、随時、取り上げて行きたいと思います。
おつきあいくださりありがとうございました。
今日はこんなところです。