みなさんこんにちは。今日の話題です。
先日、楽しみに待っていたこの商品が手元に届きました!

当ブログでも度々取り上げております、トミーテックから発売されている、人気鉄道模型シリーズ「鉄道コレクション」の新製品「京阪電車大津線80型連結車・冷房改造2両セット」です。
今日は、特色あるこの車両を細見しながら、あれこれ愉しんで参りたいと思います。よろしければどうぞおつきあいください。

まずは、パッケージの裏面から。

「大津線」というのは、京阪電車の路線網の中でも、京都と大津に路線のある「京津線(けいしんせん)」と「石山坂本線(いしやまさかもとせん)」の2路線を総称した名称です。
この「80型」が運用されていたのは、そのうちの「京津線」の方です。
実車は20年ほど前の平成9(1997)年にすでに廃車となっているのですが、商品名や説明文にもあるように、もともとは「非冷房車両」だったのを、平成元(1989)年から冷房化したものをモデルにしています。
わたしも、学生時分には実際によく乗車した、思い出の車両です。

さっそく、自作レイアウトへ入線させてみます。小ぶりな車体なのがよくわかるとともに、丸みを帯びたデザインが実に印象的です。
こちらは、京都方(京津三条方)の「87号車」。



京都市内中心部に乗り入れるこの区間では、京津線は「路面電車区間」になっているため道路上に設けられた駅(停留所)もあり、その低いホームに対応するため、客用扉の下には、電動式のステップが設けられていました。
この特徴あるステップも、商品ではうまいこと再現されています。


これも実車の写真から。東山三条にて、平成9年10月撮影。
周りに自動車が走る、路面電車区間にある駅でした。
先ほども触れましたが、この区間の駅はまさに「停留所」で、ホームもこのように簡易なものでした。その低いホームに向かって、ステップが降りているのがわかります。
この「路面電車区間」は、平成9(1997)年10月、路線が重複する「京都市地下鉄東西線」の開業で廃止となり、「京津線」の車両も新型のものに置き換えられ、その「地下鉄東西線」に乗り入れるという運行形態に大きく変貌しました。
詳しくはこちらもどうぞ↓
当ブログ
部分廃止から20年「京阪電車京津線」路面電車時代の思い出を回顧する その1(2017年10月13日アップ 全8回・シリーズものです)
(廃止となった路面電車区間や、この80型などについて取り上げています)


こちらは運転台のついていない方、妻面(つまめん)の側です。

妻面側はこのような感じ。貫通扉が設けられています。
こちら側の顔も、車端部に向かって徐々に丸みを持っている形状なのがわかります。

窓配置も、運転台のある側(奥の車両)とまったく同じです。
というのも、もともとこの「80型」は「両運転台車両」として製造され、昭和40年代半ば過ぎまでは「1両編成」で運行されていました。

そういうことで、このような似通った形状になっているのは、かつてはこちら側にも運転台があったのを、2両編成化する際に撤去したという経緯があります。これは、晩年まで変わらなかったこの車両の大きな特徴です(もっとも、2両編成化する際に車両数が足りないため「片側のみ運転台つき」として製造された車両も存在した)。

続いては、上から車両を眺めてみます。
見た目にも小ぶりな車体に、大きなクーラーが載っています。
この「80型」は、冒頭でも触れたように「京津線」と路線が重複する「京都市地下鉄東西線」の開業に合わせた「京津線一部区間廃止」に伴い、平成9(1997)年10月ですべて廃車となりました。冷房改造された平成元(1989)年以降、わずか10年にも満たない間のことでした。

最後に、付属のステッカーはどんなものかというと…
この「80型」が主役を務めていた「京津三条~四宮(しのみや、京都市山科区)間」の普通列車行先板の他、早朝・深夜帯に運転されていた「三条/浜大津(滋賀県大津市)」のもの、そして、イレギュラーで充当された「準急」のものがありました。

「京津線」の京都方の終着駅だった「京津三条駅(京都市東山区)」。
行き止まり式の線路が二本ある中、「80型」が専用で運用されていた普通列車は、この写真手前の「普通列車専用ホーム」に発着していた。
奥は準急列車が使用していたホーム。平成9(1997)年10月2日撮影。
余談ですが、京津線の「準急」は路面電車区間の駅は通過で、専用のステップも設けられていない、当時、京阪電車の標準塗装だった「緑の濃淡」の車両が用いられていました。そういうことで、イレギュラーでこの「80型」が「準急」運用に入る際には、誤乗が絶えなかったそうです。
この当時は「路面電車区間の駅に止まるのはこの車両だけ」でしたから、多くの乗客が電車の色で種別を認識していたということが伺い知れます。
ところで、今回取り上げている車両は「冷房化」された80型車両です。
では、「冷房化される前」の車両はどんなものだったのかというと…
次回に続きます。
今日はこんなところです。