みなさんこんにちは。前回からの続きですが…
年末に「1ケース大人買い」して手元に届いた、人気鉄道模型シリーズ「鉄道コレクション 第25弾」について、パッケージを開封しつつ、順番にそのラインナップを細見して、あれこれと語ってみよう!ということをしています。
 
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さて、最初に取り上げるのはこの「近畿日本鉄道(近鉄)820系 826・726号車」2種についてです。最も入手したかった車種のうちだったのでよかったです。
 
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さっそく、この2両を並べてみます。
現役当初は、この「2両一編成」が基本編成だったようですが、乗客が増加傾向になった昭和40年代以降では、それを二つつないだ4両編成で運行されることもあったようです。
 
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これを正面から。
貫通路が設けられた、併結が容易に可能な車体構造になっています。
 
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続いては屋根上を拝見。非冷房車ならではの、ベンチレータ(通風口)が整然と並んでいます。割り合いに大きいサイズのようにも思えます。
 
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そうでした、運転台がついていない「妻面(つまめん)」の側も観察してみるのですが、幅広の貫通路に、両開きの扉の有無でだいぶ印象が異なります(扉のついている方が「726号車」)。
 
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この「近鉄820系」は、昭和36(1961)年から登場した車両です。

当時、乗客が急増している「奈良線」が府県境の「生駒トンネル」の規格が小さいがゆえに、現在のような大型車両が運用出来ない状況の中、このトンネルをはさんだ区間、つまり、大阪・奈良間を結ぶ「奈良線」の主力車両として、規格の小さい「生駒トンネル」でも運用可能な「中型車」規格で登場した、という経緯があります(大阪・奈良間全線で大型車両が運用出来るようになった「新生駒トンネル」の使用開始は、昭和39年)。
 
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そういうことで、その当時、この「中型車・820系」は、主要幹線のひとつである「奈良線」の主力車両として重宝されたようです。

大型車両が奈良線全線で運用出来るようになった「新生駒トンネル」の開通後は、まだ路線規格が小さかった「京都・橿原線」系統での運用が主になり、そちらの路線規格も大型車両対応に改良されると、「生駒・田原本(たわらもと)線」といった支線へと転用、その後さらに軌道幅の狭軌化改造などがなされ「860形」と改番の上で「伊賀線」へ再度転用、平成24(2012)年にその歴史を終えました。
 
「新生駒トンネル」開業に合わせ、登場した大型車両「900系」についてはこちらもどうぞ↓
当ブログ
鉄道コレクション「近畿日本鉄道(近鉄)900系 冷房車2両セット」を手元にあれこれ語る(2017年2月8日アップ)
 
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台車は、系列の「近畿車輛」で手がけられた「シュリーレン型台車」です。
横幅が大きく、重厚なスタイルがその大きな特徴でしょうか。
 
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実はわたしは、伊賀線で晩年を過ごしていた頃の、この「820系(伊賀線時代は860形)」に乗ったことがあります。
先ほど触れた「中型車」という、一般的な車両規格からはひとまわり小さな車体とはいえ、それを感じさせない雰囲気だったことを覚えています。

そういうことで、この形式は「小型車」とは違う「中型車」という、ある種、当時の路線状況、輸送状況に大変した、特徴のある車両だったということ、時代背景を含め、興味深いものを感じます。
 
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ところで、このように「近鉄820系」を見ていて、ふと思い出しました。いまから30年ほど前に「保育社」という出版社からから発行された「私鉄の車両」シリーズの「京阪電気鉄道」という書籍です。

小さい頃に買ってもらい、それこそ穴の空くほど夢中で読んだものですが、「近鉄の話題なのになぜ京阪?」と思われますよね。

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その理由、このページをめくって行きますと…
 
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このショットが掲載されていたのを思い出したからです。
「京阪へ乗入れた、奈良発三条行急行の近鉄820系」。
昭和43年5月、四条駅(地上時代)にて。

実は、終戦直後の昭和20(1945)年から「丹波橋駅(たんばばしえき、京都市伏見区)」を介して、京阪と奈良電鉄(のちの近鉄京都線)は相互乗り入れを昭和43(1967)年まで行っていました(主に「近鉄京都・京阪三条~近鉄奈良・京阪宇治」間)。
近鉄からの乗り入れには、戦前からの旧型車両のほか、路線規格の拡大で「奈良線」から「京都・橿原線」系統に転用されていた頃の「近鉄820系」も充当されていたようで、その貴重なショット、これを思い出した次第です。
 
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ということで、ここからは夢の妄想?を繰り広げたいと思います。
引っ張り出して来たのは、すでに発売されている、同じ「鉄道コレクション」の「京阪電車600形」と「京阪電車1900系特急車 Aセット」ですが…
 
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「真紅の塗装」に対照的な「緑の濃紺塗装」の「京阪600系」との出会いや…
 
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当時、主力だった「テレビカー」を連結した特急車両「1900系」との出会いも、このように日常的にあったのだな~と妄想してしまいます。
こういったことを再現出来るのも「模型ならでは」なのでしょうが…

と、本題からは外れてしまいましたが…貴重なショットを再現してみました。
 
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しかし、この京阪「2200系」とすれ違う「820系」、顔つきが今回の模型とは少し違います。よくよく見ますと、連結のための貫通幌が取り付けられています。こういったものも、再現出来ればまた雰囲気が違って来ますね。

そういったことで、おつきあいくださりありがとうございました。
シリーズは次回へ続きます。今日はこんなところです。