松阪晶子さんの4th.SINGLE「満月」の魅力を振り返る | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。今日の話題です。

 
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さっそくですが、わたしのブログタイトル、そして「一言メッセージ」は、わたしが長年心の支えにしている、シンガーソングライター・松阪晶子さんにまつわるものをお送りしています。
 
今月は、この「満月」という曲をテーマにさせて頂いているのですが、のちに晶子さんの代表曲のひとつとなり、また晶子さんの人生観にもつながっているこの曲について、今日は当時のインタビュー記事を拾ってみたいと思います。
 
 
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この曲のリリース(平成6年3月9日)までは、実に悠然としたスローテンポのバラード2曲をシングルカットした新鋭のシンガーソングライターというイメージのあった晶子さんでしたが、この「満月」は、男女の恋愛模様のリアルな内面を女性の視点からある種、なまなましくさえ描いたという、これまでとはまったく異なるテーマや切り口で上梓された作品です。
 
そういったことで、これまでとの本人、楽曲とのイメージとはまったく異なるゆえ話題にもなったようです。
 
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この「満月」って曲の中にある内面的な恋愛の感情って、若かろうが歳をとっていようが、みんな同じだと思うんですよね―
―前作「DAKE-DO」に続くニュー・シングル「満月 c/w いつもと違う朝」をリリースする松阪晶子。”裸のままでいたい”という考えのもと、あえてコーラスパートを減らし、素のままの自分をさらけ出したこの楽曲で彼女が伝えたかったものとは何か?
 
松阪晶子。スローテンポの曲をショートカットの女の子がエモーショナルに歌いあげる。今までリリースされたシングル3枚の歌からイメージした女性像をすべて覆すのような本人のキャラクターをクローズアップ!
 
―今回のシングルを含め、松阪さんの3枚のシングル曲(デビュー曲「まっすぐに」、2nd.SINGLE「DAKE-DO/Dreamin'」、3rd.SINGLE「DAKE-DO/都会の中で」)はスローテンポのものばかりですが、それはご本人の希望で…
「私は”これをシングルにしたい”って曲を作ってるわけじゃないんですね。みんなにおまかせして選んで頂いているだけで。でも今は派手な曲やディスコっぽいものがあるなかで、スローな曲(「まっすぐに」)でデビューできたことが逆にうれしいと思ってます。そのかわり、カップリングには”お~っ”という元気な曲を入れて。そこらへんは作ってる側としては、どういう風に伝わっているのか楽しみですね」
 
―歌の中にコーラス・ワークをほとんど取り入れていないことにも驚いたのですが。
「裸のままでいたかったっていうのがあるんです。コーラスで綺麗に聴かせる方法もありますけど、一本の線でどれくらい表現出来るかと思ってあえてそうしました。”これでどうだー”といわんばかりに。だから出来立てのまんまで」
 
―今回リリースされるシングル「満月」は今までと雰囲気がガラッと変わって。髪の毛も伸びましたよね?
「髪は伸ばしてるんです。曲に関しては、今まではナチュラルなバラードでしたけど、今回は女の”ドロドロ”した部分がきいてる詞なんで、ちょっと”いやらしい”ですね。自分で詞を書いてて”ポッ…”となるような(笑)
 これまでがあまりに綺麗に聴こえる曲だったので、もっと内面的な感情を出してもいいかなと思って書いてるうちに、メロディと曲が一緒に出て来た初めての曲なんです。だからよけいドロドロしてますよね。
 事務所側もレコード会社側も”ハツラツとしたショート・カットのイメージ”でいて欲しい、というのがあるんですけど。でも人間としてひとりの女性になったときに、こういう内面的な恋愛の感情って若かろうが歳とろうが同じだと思うんです。こういう”満月”みたいに耐える女性の部分って」
 
―ハツラツからいきなりドロドロ、ですか。
「これからももっと飛んで変わってしまうかもしれませんよ(笑)女性って付き合う男性で顔が変わるじゃないですか?それと同じで、曲とかも周りの動きがどんどん反映してくるんです。私の場合、音楽と生活が常にくっついているんで。しかもコロコロ変わるんですよ。私の性格!O型なんですけど。サバサバしているわりにはメソメソしてみたり」
 
―そういう自分の性格をどう思いますか?
「これでいいかなと。ある部分は耐えますけどね。東北出身(盛岡)なので。けっこう”おしん”って部分があって(笑)耐えて耐えて正義感が強いんです!自分でいうのもアレなんですけど(笑)スジさえ通っていれば何でも頷きますね。スジが通っていない人、大嫌いなんです」(中略)
 
―そういう松阪さんが「満月」では別れた男性にすがりつく女性を歌っているわけで。色っぽい曲ですよね?
「アレンジも”もっともっとエッチになってミソー”みたいな。そしたらギターソロなんかも色気ムンムンで、”私、知らないぞ~”って(笑)自分で出来上がったものを聴いてきますもん。”プルプル~ッ”とか」
 
―でも、こうやって実際にお会いした松阪さんから色気というのは…(笑)
「…無いです!(笑)体は後からくっついてきます。ちょっと歌が先走ってしまった。もう少し熟れるように頑張りま~す」
 
―(笑)失礼なんですが、人から”ヘンな人”とかいわれるタイプの方ですか?
「いや、”ヘン”じゃなくて、”おかしなヤツだ”とはよくいわれます。学校ではいつも人のことを笑かしてっていうのが私でした」
 
―そういう松阪さんのキャラクターを出した歌って…
「書いてないですね。それはきっと…ラジオの方に反映してるんですよ。スジが通ってる自分が歌に反映されて”オッケレケー”の部分がラジオに。初めて知った!こうやって取材で自分の性格が分かるときがたまにありますね」
 
―では松阪さんをラジオの番組で知った人というのは…
「今回の『満月』を聴くとショックを受けるかもしれませんね。今までのシングルでさえラジオとギャップがあるといわれてますから。曲聴いてビックリして顔を見て”こんな顔が歌ってるのか”って(笑)ラジオのリスナーさんのハガキは”元気で楽しい”とか”ノリノリのおしゃべりがいいよ”って感じですから。でもそうやって”松阪晶子像”が広がっていければいいなと思ってます」
 
―こういう松阪さんが理想としている女性像っていうのをぜひ聞いてみたいのですが。
「芯があるんだけど優しい女性、ですね。見かけは強くても、いざというときに優しい心がもてる女性になりたい。頼られたときに”忙しいからちょっとゴメン”じゃなくて”ちょっと待っててね”って。その言葉ひとつでも違ういい方が出来るじゃないですか?そういう細かい部分まで優しい女性になりたいですね」
 
―松阪さんのお母さんはそういう方なんでしょうか?
「母はぜんぜん違います!私のラジオをやってるときの100倍元気な人です。父は歌う方の100倍繊細な人。両方が”陰”と”陽”みたいな。母はそのまんま”陽子”っていうんですけどね(笑)それをふたつ貰ってしまったから、私はあまりにもギャップがあるんでしょうね。外見。例えば顔も半分半分で、お母さんはたれ目なんですけど、お父さんはつり目で。その両方をもらったら二重のつり目になってしまって(笑)
性格もそうで、例えば、行っちゃいけない場所があるとするじゃないですか。私は”駄目だ”って場所まで石橋を叩きながらいくタイプで。お母さんは”行きたい”って欲望とお父さんの”駄目だ”って欲望のふたつが入って戦ってますね。物事を決めるときはいつもそうですよ」
 
―今度リリースされる初のアルバム(平成6年6月にリリースされた「夢を眠らせない」)のほうでは…
「そういう私の中にある父と母の部分がばっちり!元気な曲とマイナーな曲と、ちょっとずつブレンドされてますね。松阪晶子の自己紹介的なものになりそうです」
(インタビュー・文/東條 祥恵)
 
「ロックンロールニュースメーカー」別冊「QUEEN'S PAL」Vol.5
(講談社 1994年4月発行 P70-71より)
 
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デビューシングル「まっすぐに」(平成5年6月2日リリース)ののち、インタビューの内容にもあったように、はつらつとして、どのようなことがあってもただひたすら自分の道を、そして夢を信じて歩く…というテーマの楽曲を発表して来た晶子さんだったのですが、先述のようにこの「満月」はそのイメージを覆すものなのかな?と当時は感じました。しかしそんな中でも、失恋したその相手にいまだ恋焦がれるという「自分を信じ、ただひたすらに一途な姿勢である」という「信念の根底」は、この楽曲でも共通したもののように感じます。
 
晶子さんは、後年の別のインタビューで「好きな言葉」に「自信」を挙げています。その際の「自信とは自分を信じること」というくだりを耳にするにつけ、その姿勢は、この「満月」を含め、今後も晶子さんのすべての楽曲の根底に共通するものとして存在しているようにわたしは感じます。
 
「ただひたすらに一途に、まっすぐに」
その信念は、晶子さんが活動休止するまで今後の楽曲にも連綿と続いて行くものとなったのですが、「根底の信念は不変」でも、「恋愛にまつわる表現の方法が大きく異なったもの」という点で、この「満月」はシンガーソングライター・松阪晶子さんの大きな転換点となったことは間違いないもののようです。ただ、楽曲での「表面的な変化」はしていても、シンガーソングライターとして、その根底の信念の部分にはいささかのブレがないことに、今日でも感嘆させられます。
 
参考にこちらもどうぞ↓
YouTube動画
「満月」松阪晶子さん
 
「満月」松阪晶子 ファーストライブ
 
今日はこんなところです。