
昨日、2月13日に京阪電車の公式サイトからこのようなプレスリリースがありました。平成30(2018)年3月頃、大津線(おおつせん)4駅の駅名称を変更するというものです。

ところで、ここで述べられている大津線という路線名は個別の路線名を指すものではなく、京都と大津とを結ぶ京津線(けいしんせん、御陵~浜大津間)と、びわ湖沿いを縫うように走る市内電車・石山坂本線(いしやまさかもとせん、坂本~石山寺間)とを総称した名称です。
かつて、この2路線では京都市内中心部までの直通運転が行われていたのですが、現在はそれぞれ独立した運転形態が採られています。

では、名称が変更される駅について、プレスリリースを追って見て参りたいと思います。
びわ湖観光の玄関口・浜大津駅(はまおおつえき)はびわ湖浜大津駅(びわこはまおおつえき)に、大津市内の行政中心部で、競技場や野球場などが広がる別所駅(べっしょえき)は大津市役所前駅(おおつしやくしょまええき)に。

そして、JR湖西線との乗換駅、皇子山駅(おうじやまえき)は京阪大津京駅(けいはんおおつきょうえき)、京阪で最北端に位置し、比叡山のびわ湖側の入り口に当たる坂本駅(さかもとえき)は坂本比叡山口駅(さかもとひえいざんぐちえき)に。
それでは、ここからはあくまで私見からという観点で、駅名が変更されるこれら4駅についてあれこれ取り上げてみたいと思います。よろしければおつきあいください。

まずは石山坂本線、とりわけ京阪最北端の坂本比叡山口駅からです。

坂本比叡山口駅に改称される予定の、坂本駅周辺の地図から拾ってみます。
駅の周辺には、寺社仏閣が点在していることが読み取れるのですが、古くからこの地は比叡山延暦寺、日吉大社の門前町として知られています。
びわ湖も近い場所にあり、交通の要衝としての意味合いも多分にあったようです。

これを少し引いたもの。地図左側に「ケーブル坂本駅」というのがあるのですが、これに乗車すると比叡山山頂に近い「ケーブル延暦寺駅」へと登れ、その先は、山上を走るバスやロープウェーなどに乗り換えると、京都の市街地の北、三千院で有名な大原に近い八瀬(やせ)へと抜けることが出来ます。都合、これらを組み合わせると比叡山縦断が出来るようになっています。
比叡山縦断ルートについてはこちらもどうぞ↓
当ブログ
「SANZEN-HIROBAを訪ねて その59」(2016年5月3日アップ)
ところで、地図右隣には「比叡山坂本駅」というのがあります。
びわ湖の西岸を走り、京阪神と北陸とを結ぶ重要な幹線のJR湖西線の駅なのですが、こちらももともとは「叡山駅(えいざんえき)」でした。比叡山、門前町・坂本への観光客誘致のために改称されたものとされていますが、京阪もそれに続くことになりました。

先ほどの話に戻るのですが、比叡山のびわ湖側の入り口が坂本で、京都側の比叡山の入り口は八瀬(やせ)、というようなことを述べました。
前者は今回、坂本比叡山口駅となるのですが、後者には八瀬比叡山口駅(やせひえいざんぐちえき、京都市左京区)という終着駅があり、至近のケーブル八瀬駅から、京阪グループの叡山ケーブル線で比叡山へ登ることが出来ます(もと八瀬遊園駅からの改称。叡山電車本線の終着駅に当たる)。


大正14(1925)年に完成した、ドーム型の八瀬比叡山口駅。
いまなお現役で使用されており、大変貴重な建築と言われる。平成26(2014)年10月撮影。
そういうことで、比叡山への入り口に当たる京都・びわ湖側双方の駅名称が揃えられるということになりました。それゆえ、比叡山へ向かう観光客への宣伝効果に対する期待の大きさを感じさせられるものと捉えられます。
次回に続きます。
今日はこんなところです。