新交通システム「六甲ライナー」の「六甲島検車場」(神戸市東灘区)の公開イベント、「六甲ライナーフェスティバル2016」を訪れた様子をお送りしています。

さて、ここは六甲ライナーの車両基地なので、もちろん六甲ライナーの展示がメインだったのですが、会場には同じ神戸新交通が運行している「ポートライナー」のそれもありました。こちらも見て参りたいと思います。

ポートライナーは、この六甲アイランドの西隣に位置する同じく人工島の「ポートアイランド」への主要なアクセスとして、昭和56(1981)年に開業したものです。初代の車両は展示にもある「8000型」という車両で、開業以来長年にわたって活躍して来たのですが、老朽化のため平成21(2009)年に全車両が引退しました。
ゴムタイヤを使用する無人運転の本格的な新交通システムはポートライナーが全国初で、以降、全国にこの方式が広がっていったとのこと。


会場には、最後まで残った編成に取り付けられていたという車番プレート、製造銘板などが展示されていました。開業前年の昭和55年製なので、当初から運行されていた編成であることがわかります。貴重な記録ですね。

さて、「ポートアイランド」が昭和56(1981)年に街びらきを行った際に、記念イベントとして「神戸ポートピア博覧会」という催事が行われました。手元に当時の公式ガイドブックがあったので、こちらについても少し触れてみたいと思います。

ポートライナーは一躍、海上の新都市であるポートアイランド、そしてポートピア博覧会への主要アクセスとなりました。表紙にも8000型の姿が見られます。

ポートアイランドは昭和30年代から構想が立てられ、昭和41(1966)年から埋め立て工事が開始されたとのこと。そして、コンテナバースの完成した部分から順次使用が開始されたという年表の記述です。

そして、昭和55(1980)年に入り島内の団地への入居開始、ポートライナーの車両搬入、試運転にはじまり、翌56(1981)年に街びらきと、その記念行事であるポートピア博覧会が華々しく開幕しました。
以降、職住の街として大きく発展を遂げ、沖合をさらに埋め立てて、平成18(2006)年には「神戸空港」も開設されました。この神戸空港へのアクセスもポートライナーが担っています。

人気を博したポートピア博覧会、その当時のおみやげ類の一部が掲載されていました。青色をモチーフとした、このシンボルマークは確かに見覚えがありますが、趣向を凝らしたさまざまな商品のデザインに時代を感じます。

博覧会の名誉総裁は当時の「鈴木善幸総理」。前は大平さん、後は中曽根さんですね。
まったくの余談ですが、わたしが生まれた時はその大平総理だったとのこと。ただ、その時の記憶はというと、あー、うー、もちろんありません(笑)


会場をゆっくり拝見したのち、帰路は最寄りの「マリンパーク駅」ではなく、島内の中心部へと少し歩いてみることにしました。曇り空は相変わらずで、雨がぽつぽつと降って来ます。ただ、さほどではないように感じます。


車両基地から歩くこと15分ほど、独特のデザインの高層ビルが多く見られるようになって来ました。

高架の反対側には、「UFO」を思わせるこのような建物もありました。「神戸ファッション美術館」だそうです。

ここは島の中央部、ライナーの「アイランドセンター駅」付近です。
高架沿いにはせせらぎも設けられていて、散策する人の姿もまま見られます。


しかし、島内を見て回っていますと、緑の多いことに気づきます。住環境としては申し分ないように感じられますが、実際、外国人をはじめとして高級人気住宅地として人気があるそうです。神戸という土地柄ならではですね。

ということで、このアイランドセンター駅から帰路に就きました。
一般鉄道とは一味異なる、新交通システムの貴重な見学が出来ました。
6回にわたり、おつきあいくださりありがとうございました。
今日はこんなところです。