先般、トミーテック社から発売された人気鉄道模型シリーズ「鉄道コレクション 第22弾」のラインナップから、個人的に気になる車種を取り上げるということをしています。
こちらもどうぞ↓
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トミーテック「鉄道コレクション 第22弾」発売!気になる車種をピックアップ~前編
(2016年4月9日アップ)
トミーテック「鉄道コレクション 第22弾」発売!気になる車種をピックアップ~中編
(2016年4月12日アップ)
今回、取り上げるのはこちら。
和歌山県を走る小さな私鉄、「紀州鉄道 キハ603」という車両です。

正面の「二枚窓」が軽快な印象を与えています。
「昭和35(1960)年製造」ということですが、これは当時、全国的に流行していた車両デザインでした。

「車体側面」を見ますと、上下二段にわたって長細い窓がずらっと並んでいます。
特に、上段の長細い窓は当時、バス界で「主流のデザイン」であった意匠を用いたもので、そのものずばり「バス窓」と呼ばれていました(赤い矢印部分)。

こちらは、同じ「鉄道コレクション 第22弾」シリーズの「キハユニ16」(「普通車両・郵便荷物車両」が1両に混在している)という形式の「旧・国鉄型ディーゼルカー」です。
「運転台部分が少し傾斜している」という差異はありますが、同じ「二枚窓」です。

先の「キハ603」とは「製造が同時期」ということもあり、「バス窓」をはじめとする側面などを観察しますと、類似点を見つけることが出来ます。
(こちらの車両は、客用扉=車両左端部分=の窓まで二枚の仕様になっています)

ところで、数年前にその「キハ603」と出逢ったことを思い出しました。
「青春18きっぷ」を使い、「和歌山県の小私鉄めぐり」をした時の訪問です。
この「紀州鉄道」なのですが、「JR紀勢本線 御坊駅(ごぼうえき、和歌山県御坊市)」から西、海の方向へと分岐している全長3kmほどの小さな私鉄です。
路線規模は小さい部類なのですが、古い歴史を持つ会社として知られています。
その際の記事はこちらです↓
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「18きっぷで真夏の旅2010 その37 紀州鉄道を体験」(2010年8月24日アップ)
ところで、この「紀州鉄道 キハ603号」の経歴については、またまた「Wikipedia」から見てみたいと思います。
キハ600形(キハ603, 604)
1960年新潟鐵工所製。元大分交通耶馬渓線(※やばけいせん)の車両で、同線が廃止された1975年に同社から譲り受けた。正面2枚窓・両運転台の18m級車体だが、側窓がいわゆるバス窓でその下に補強帯(ウィンドウシル)を残すこと、(中略)小断面車体など、(中略)近年では珍しくなった古典的気動車として鉄道ファンから人気を集めていた。
(中略)形式・車番から塗色や車番、接客設備に至るまで大分交通時代の内容をそのまま踏襲している。(中略)
製造から50年近く経ち老朽化が進んでおり、(中略)キハ603は2009年に定期運行を終了した。(中略)キハ603については、営業運転復活を視野に車籍は抹消せず休車扱いとしていたが、2012年6月1日付をもって除籍された。しかし、紀伊御坊駅隣接の車庫で動態保存されており、普段は庫内で保管されている(後略)。
訪問した「平成21(2010)年」には既に「休車扱い」となっていたのですね。
ところで、前回(「加悦鉄道 キハ08」)や前々回(「岡山臨港鉄道 キハ5001」)のように、この車両も「第二の再就職先での姿」としてモデル化されていることに気づきました。
この「鉄道コレクション」ラインナップの最大の特徴なのですが、どちらかといえばこれまで製品化されて来なかったこのような「マイナーな存在であった車両」が実際に商品化され、気軽に手に入れることが出来るということは趣味の枠を大きく拡げてくれるものではないか、と感じたりします。
「鉄道模型の楽しみ方」というものはさまざまあるのでしょうが、今回、このように「実車の歴史や特色を少しひもといてみる」ということも、その醍醐味のひとつとしてあってもいいのではないかと感じた次第でした。
三回にわたり、おつきあいくださりありがとうございました。
今日はこんなところです。