大津市歴史博物館「江若鉄道の思い出展」を訪ねて その8 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。
「大津市歴史博物館」で開催されている「江若鉄道の思い出」展を観覧しています。

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その「精巧さ」に感嘆が続く展示もいよいよ最後、正面エントランス前に設けられたこちらのジオラマを取り上げたいと思います。
ここまでご紹介して来たものと同様に、実に精密に再現されたものでした。

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「駅」と、その脇に広がる「機関庫」や「車庫」の様子ですが、これぞ「ジオラマの醍醐味」という感を受けます。

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舞台は、始発の「浜大津駅」からひとつ目の「三井寺下駅(みいでらしたえき、滋賀県大津市)」です。
駅名にあるように、「三井寺」というお寺のふもとにある駅だったそうです。

余談ですが、この「三井寺」には、「武蔵坊弁慶が比叡山延暦寺から梵鐘を奪い、この三井寺でその鐘を撞くと『いのう、いのう(帰りたい、帰りたい、の意)』と聞こえたので、弁慶が激怒しそれを谷底へ突き落とした」、という「弁慶の引き摺り鐘」伝説があります。

この「企画展」が開催されている「大津市歴史博物館」の近くだったのですね。

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それでは、じっくりと拝見していきたいと思います。

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ホームは「1面のみ」。緩くカーブのかかった線路に、さまざま形状の「ディーゼルカー」や「客車」などが停車しています。

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その反対には「機関庫と車庫」。こじんまりとした印象ですが…

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反対側から俯瞰してみますと、意外にも敷地が広いことに気づきます。

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「機関庫」の中の様子ですが、仮の台車が置かれていたりして、いい雰囲気です。

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丁寧なつくりなのはもちろんですが、それゆえの「リアルさ」を感じます。

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当時の「俯瞰写真」のパネル展示がありました。

写真中央下付近に「三井寺下駅」と「機関庫」が確認出来ます。
上空からですと、カーブ上に設けられている様子がよくわかります。

その上に広がる「宿舎」のような建物が並んでいる敷地は、「占領軍大津キャンプ」だそうです。現在、跡地は「皇子山陸上競技場」となっており、「滋賀県のスポーツ競技のメッカ」として、さまざまな大会が行われています。

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さて、また異なる角度から「ジオラマ」を見てみます。
「浜大津駅」からやって来た列車では、このような様子です。

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駅に出入りするディーゼルカー。手前には、架線柱が見えますが‥

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「京阪電車 石山坂本線(いしやまさかもとせん)」の線路でした。
こちらにも「三井寺駅」があり、「江若鉄道」と競合関係にあったようですが、列車の本数は京阪の方が多く、乗客の棲み分けがなされていたようです。

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当時の写真もありました。
「駅」、「機関庫」のみならず「本社」もこの敷地内にあり、「江若鉄道の中心部」という存在だったようです。

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こちらは「昭和44(1969)年」の「全線廃止」直後の写真だそうです。

ガラスが抜かれ解体を待つ車両、路盤が剥がされた駅構内。
もの悲しい光景ですが、貴重な記録です。

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ジオラマの説明を拝見しますと、やはり鉄道があった当時は活気にあふれる駅だったようです。さまざまな車両が留め置かれている「機関区の様子」を、模型ながらに観察しますと、なにかしらわくわくする気持ちになります。

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そして、「ミュージアムショップ」で発売されていたのがこの「江若鉄道の思い出 ありし日の沿線風景」という書籍でした。

この「企画展」に併せてここ「大津市歴史博物館」から刊行されたもので、昭和20~40年代の「江若鉄道を利用する人々の姿」が中心にまとめられており、当時の様子がよくわかりました。

「沿線住民の足」としてだけでなく、水泳場やスキー場へと向かう「観光客輸送」の様子も多数あり、貴重な記録であるように感じるとともに、地元の人々にとって「大切な存在だったのだな」とも感じさせられました。

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いや、想像以上のすばらしい展示でした。
「びわ湖」までやって来て、実によかったなあという気持ちです。

おつきあいくださり、ありがとうございました。
今日はこんなところです。