「介護保険制度」にもの申す!その3 | 「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」ありのまま生きてこう 自分を磨きながら

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「EXPO2025 大阪・関西万博訪問記」公開中!趣味の鉄道の話題を中心に、旅行記や生まれ育った東大阪、敬愛するロックシンガーソングライター・松阪晶子さんについてなど綴りたいと思います。

みなさんこんにちは。
 
新しい年度に入りました。
わたしの周り、家庭や職場で、今年は殊にさまざまな「変化」があり、ちょっといっぱいいっぱいなのですが、ひとまずは「自分のペース」を大切にしながらやって行こうというところです。
今年度もよろしくお願い申し上げます。
 
さて、今日もまた「真面目な話」をさせて頂きたいと思います。
よろしければ、どうぞおつきあいください。
 
前回、前々回では、「今年度から改定される、介護保険制度の概要」や「介護報酬」、「国の目指す介護福祉政策」などについて「私見」を申し上げましたが、肝心の「介護認定」のことを取り上げていないことに気づきました。

まずは、「介護認定」がなされないと、「介護保険サービス」は利用出来ないので、「取り上げる順序」が逆になってしまいましたが…失礼致しました。

イメージ 1

ということで、今回の記事をアップするに当たり、「介護保険制度」を管轄する「厚生労働省」のホームページに行って来たのですが、「タイトル」には「これっぽっち」しか記載がありません。

なので、毎度おなじみ「Wikipedia」の「介護保険」に関する記事の方がよほど分かりやすいように感じましたので、そちらを一部用いてご説明したいと思います(笑)

イメージ 2
 
だって、こんな「PDFファイル」の資料が「数十ページ」もあるんやもん…
正直、「読む気」せえへんし…<(`^´)>

さて、本題に入りたいと思います。
「要介護認定」とは、「何らかの理由で『介護が必要になった40歳以上の人』が、『所定の申請と審査』を経ることにより、その『介護の必要性に応じた段階』を判断され、『要介護度』という『尺度』で認定される、いわば『申請時点での、その人に対する『介護の必要性の指標』」と言えるものです。
(この一連の「申請」などは、「家族」や「事業者」、「行政書士」などの「代理人」でも可能です。繰り返しになりますが、この「介護認定」を受けていないと、「介護保険サービス」を「1割負担」で利用することが出来なくなってしまいます)。

「要介護認定」は「要支援」「要介護」「非該当」の3つに分けられます。
「要支援」は「2段階」、「要介護」は「5段階」になっており、それぞれ「異なる見解」、「異なる取り扱い」がなされます(これについては、詳しく後述します)。

また、「非該当」という言葉が出て来ましたが、これは「現段階では『要介護認定は必要ないが、『身体の変化』など、場合によっては『今後要介護認定が必要になる可能性がある』と判断されること」と捉えられ、「非該当」と判定された「該当者」には「地域支援事業」と言う、「市町村」が主体になって行う「介護状態を予防するためのサービス」を受けることが出来るようになっています。

さてここで、その「要介護」と「要支援」の「正式な見解」を「介護保険法」という法律の条文の中から抜き出してみます。

「要介護状態」
「要介護状態」とは、身体上または精神上の障害があるために、入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部又は一部について、厚生労働省令で定める期間(原則として6ヶ月間)にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態であって、その介護の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(以下「要介護状態区分」という。)のいずれかに該当するもの(要支援状態に該当するものを除く。)をいう(第7条第1項)。要介護状態には、要介護1から要介護5まで5つの要介護状態区分が設けられている。要介護状態にある被保険者を「要介護者」という(第7条第3項)。

「要支援状態」
「要支援状態」とは、身体上若しくは精神上の障害があるために入浴、排せつ、食事等の日常生活における基本的な動作の全部若しくは一部について厚生労働省令で定める期間(原則として6ヶ月間)にわたり継続して常時介護を要する状態の軽減若しくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれ、又は身体上若しくは精神上の障害があると見込まれる状態であって、支援の必要の程度に応じて厚生労働省令で定める区分(以下「要支援状態」という。)のいずれかに該当するものをいう(第7条第2項)。要支援状態には、要支援1と要支援2の2つの要支援状態区分が設けられている。要支援状態にある被保険者を「要支援者」という(第7条第4項)。

いかにも「法律の条文」らしく、ちょっとわかりにくいですね\(^o^)/
ただし、この条文の中では、「介護認定」で「要介護状態」と「要支援状態」という「区分」が存在している「所以」である「重大な差異」が述べられています。

これを拾って行きたいと思います。
まずは全部又は一部  全部若しくは一部 から。
これは、その前の条文にある「日常生活における基本的な動作」についての「何らかの介助の有無」を問うているものですが、「又は」、「若しくは」と言う「意味合いの違い」が分かりにくいところです。

前者(要介護状態)では「状態の程度に応じ、何らかの介助が必要なもの」
後者(要支援状態)では「基本的に身辺のことは一部でも自身で行え、介助を要さない部分があるが、別の日常生活動作においては何らかの介助が必要なもの」
という定義がなされています。

続いては、
常時介護を要すると見込まれる状態 
常時介護を要する状態の軽減若しくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれ、又は身体上若しくは精神上の障害があると見込まれる状態
についてです。 
 
前者(要介護状態)では、はっきりと「常時介護が必要」と定義され、「現在の身体・精神的状態の維持と悪化の防止」を主な目的にしているのに対し、
後者(要支援状態)では、「介護保険サービス(要支援介護サービス)を利用することにより、何らかの介護を要する状態の改善が見込まれる」ことを主眼としています。
この違いから、殊に「要支援認定」となった対象者には、「これ以上の身体・精神的状態の悪化防止」というよりは、「現在の様態からの状態の向上・回復」のために「要支援介護サービス」が提供される、という趣意になっています。

また、この中でいずれの項目にも(原則として6ヶ月間)という文言が出て来ましたが、これは「介護保険制度」において「重要なこと」で、「要介護、もしくは要支援が必要な状態」が「概ね6ヶ月以上継続することが見込まれるという人を対象にしている」ということが「要介護、要支援認定」の「原則」だということがミソです。

ここからは「Wikipedia」を活用して、もっとわかりやすく見て行きたいと思います。
まずは、「要介護、要支援認定」の流れから見て行きたいと思います。
 
1.要介護認定を受けようとする介護保険被保険者は、保険者(市町村及び特別区。以下、特に断らない限り「市町村」と略す)に対し、要介護認定申請を行う。
 
2.申請を受けて、市町村は被保険者宅(あるいは、入院・入所先)に調査員を派遣し、認定調査を行う。
 
3.同時に、市町村は申請書で指定された医師(主治医)に対し、主治医意見書の作成を依頼する。
 
4.認定調査結果と主治医意見書は、あらかじめ国の定めた基準により、介護にかかる時間(要介護認定等基準時間)に評価される。(一次判定)
 
5.「5名以上(更新申請の場合は3名以上)」で構成される合議体にて介護認定審査会が行われ、一次判定結果および認定調査結果、主治医意見書を総合的に判定し、要介護度および認定有効期間が最終的に決定される。(二次判定)
 
6.市町村は、介護認定審査会の二次判定結果を受けて、要介護認定の結果を被保険者に通知するとともに、介護保険被保険者証に要介護認定の結果を記載する。
 
と、これでも小難しい内容なので、実際、「わたしが携わった中で知っている流れ」で示したいと思います。
 
1.「要介護認定申請」を「市町村」が受理する
 
2.「市町村」から「認定調査員(保健師、社会福祉士、介護支援専門員=ケアマネージャーなど)が「自宅など」を訪問し、「介護保険申請者の現在の身体・精神的な状態、既往歴や現病歴、介護者の有無や介護されている現況(これを『介護能力』と称しますが)、家族環境、などを把握する」ための「認定調査」を行う
 
3.「申請者」の「主治医」から、「市町村」が「主治医意見書」という、「申請者」に対する「既往歴、現病歴」などについての情報として「意見書」を貰い受ける(主治医がいない場合は「申請の時点で決めておくことが望ましい」とされていますが、実際のところは「申請の際、新規に、通院したことのない医院などの医者を随意に主治医と決めても可能」なようです)。
 
4.「認定調査の結果」と「主治医意見書」を参考に、ある程度の「要介護度」を計算する(「一次判定」)。

5.「市町村の介護保険担当者」「地域の医師」「介護福祉サービス事業者(の偉いさん)」などで構成される「介護認定審査会」で、「最終的な要介護度の決定」がなされる(「二次判定」)。
 
6.「市町村」が「申請者」にその結果を報告する。
(「要介護」「要支援」「非該当」の3種類があります)。
 
ちなみに、「要介護認定」「要支援認定」ともに「認定期間」があり(高齢者の場合、体調の変化が突如、急速に起こりうることが想定されているため、ずっと同じ「介護度」には出来ない事情があります)、「新規認定」の場合は概ね「6か月~1年」、「更新認定」の場合は「1年~2年」になることが多いです(「認定期間」は「最長2年」です)。
 
また、「認定期間中」に「介護の必要性が変化した(=介護度が重くなるケースが多いのですが)」という場合には「区分変更申請」という手続きが出来、これが認定されれば「新規認定扱い」で「要介護度」を変更することが可能で、これにより、「利用できる介護保険サービス」の「上限」をアップさせることが出来ます。
これについては後ほど)。
 
※これについて、例を挙げると…
「要介護1」の高齢者が転倒し、骨折により歩行が困難になったので「区分変更申請」を行い、「要介護3」に変更になった…など。
 
「各介護度」により、「介護保険が適用され、利用できるサービス」はそれぞれ「上限」が定められており、「点数」で示されます(後述します)。
また、それぞれの「各介護度」の「上限を超えて使用したサービス」は「介護保険適用外」となり、「オーバーフロー」した分は原則「全額自己負担」となります。
 
「決定された要介護度に不満がある」などの場合には、「都道府県」が主体になって設けられている「介護保険審査会」という組織に「不服申し立て」が出来、再度「認定調査」がなされます。

さて、先ほど「要介護認定」には「要介護」「要支援」「非該当」の3つがあると述べました。
この関係を図示してみますと、

←介護の必要性が低い                  介護の必要性が高い→ 
非該当 要支援1 要支援2 要介護1 要介護2 要介護3 要介護4 要介護5

と言ったところでしょうか。
 
実は、「介護認定」に当たっては、そのうち「要支援2」と「要介護1」との「差異」が「すこぶる分かりにくい、微妙なもの」と言われています。

これは、「介護の必要性」が比較的「判別しにくい部分」であることが主な理由なのですが、「要支援認定」と「要介護認定」とでは、先ほど取り上げましたように「介護支援の趣旨が異なる」こと、そして「利用出来るサービス」や「介護保険サービスの利用料金」が「大きく異なって来る」ということで、この類の「判定」にはかなりの気を遣います(→わたしが「実体験」した話です)。
※具体的な例を挙げますと、「要支援認定」では「特別養護老人ホーム(特養)」に入所出来ない…など(ただし、この規定は「今年度からの介護保険制度改定」で「要介護3以上でないと入所申し込みが出来ない」と変更になりますが)。

そんな「微妙な判定」をどうするか…ですが、「厚生労働省の介護認定の公式見解」
を見てみますと、このように示されています。

要支援2
32分以上50分未満(※注釈1)
「認知機能(※注釈2)低下」と「状態(※注釈3)不安定」の
いずれにも該当しない

要介護1
32分以上50分未満(※注釈1)
「認知機能(※注釈2)低下」と「状態(※注釈3)不安定」の
いずれかまたは両方に該当する
 
〈解説〉
(※注釈1)「32分以上50分未満」
→「一日を通し、その対象者の介護にどれくらいの時間を費やすのか」という目安の時間(「要介護認定等基準時間」と言い、「介護度」が重くなっていくほど、この「時間」は増大する)

(※注釈2)「認知機能」
→「見当識(けんとうしき)」とも称し、その対象者の「ものごとに対する判断力(殊に、『認知症症状の影響の程度』を診られることが多い)」を指す

(※注釈3)「状態」
→主に「身体・精神的な状態」を指す

というように、「大変あいまいな表現」しかなされていません。
ですので、これらの判定をする際には「いずれにも」、また「いずれかまたは両方」に「該当するのかしないのか」、「一方のみに該当するのか」などと言うことがすこぶる「わかりにくい」のが現状です。

「身体・精神的に何らかの問題がある要因」が「認知症症状」なのか、「単なる年相応の物忘れ」なのか、それとも「その他の病気によるものなのか(高齢者の場合、『認知症』が『うつ状態』と誤認されることが多くあります。これを『仮面うつ状態』と称しますが)」…
また、「身体・精神状態」も、それらの「認知症症状」が絡んだものことが原因で「問題があるのかないのか、その程度はどうなのか…」などと、「対象者の様態」を限られた「認定調査」と言う場で可能な限り見極め、さまざまな「勘」のようなものを働かすことを求められる…と言う、かなり「神経を使う作業」でもあります。

ですので、「認定調査」においては「公平・公正」が求められることはもちろんですが、「認定調査員」の「非常に微妙な、神経質で高度な判断」も同時に求められるもので(理由にならないかも知れませんが、「調査員」とて「人間」ですし…)、先の「介護保険審査会」への「不服申し立て」も、この内容のものが多いようです。

さて、「非該当」「要支援」「要介護」とあった図の中で「非該当」や「要支援」と認定された対象者は、「介護の必要性が低い=日常生活における『自立度』が比較的高い」とみなされることが多く、「介護保険制度」の趣旨としては、

「要支援認定」の対象者→「非該当」になることを目指す。
「非該当」の対象者→「要支援認定」にならないように目指す。

といったところでしょうか。

ここでは述べなかった「要介護認定」の対象者についての「見解」は、
 
「現況の状態をこれ以上悪化させないように維持する」ということが推し量られます。

さて、先ほど、「要支援認定」と「要介護認定」では「利用できるサービス、趣旨が異なる」という話を述べましたが、「要支援認定」された対象者が利用出来るサービスは「介護予防○○」(例えば、「介護予防訪問介護」「介護予防通所介護」…など)と、
「名称」からして「(要)介護予防」を目的にしていることがわかります。

最後に、「各介護度」における「単位数」のことに触れたいと思います。

「介護保険サービス」での「利用料金」には「点数制」が用いられており、「各介護度」により「利用できる数値」が異なります
(この数値を「区分支給限度基準額」と言います)。

「点数」は「円」と置き換えますが、「居住している地域」の「介護福祉サービスの充実度」や「介護保険に係る自治体の財政状況」などを勘案し、「0.1倍以上から概ね2倍程度の数値を掛けた額」が「介護保険サービス」を利用した際に支払う金額になっています。
 認定度数       区分支給限度基準額
            (当月分を使い切らない分の、翌月分への繰り越しは不可)
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 非該当              なし
 要支援1            4,970単位
 要支援2              10,400単位

 要介護1              16,580単位
 要介護2             19,480単位
 要介護3                       26,750単位
 要介護4                      30,600単位
 要介護5             35,830単位

 
さて、次回はその「要介護認定」の「実際」、とりわけ「認定調査」のことについて取り上げたいと思います。

「認定」には「新規認定」と「更新認定」という2種類がありますが、「認定調査」を行う「認定調査員」になるためには「認定調査員研修」というものを受講し、「修了証」を発行してもらわないといけない制度になっています
(わたしも「介護支援専門員(ケアマネージャー)」資格を取得した後、すぐにこの研修を受けるように言われ、取得した次第です。また、現在でもその「認定調査」を行うことがあります)。

本日の内容でも触れましたが、「さまざまな微妙な判断」や「神経質になりがちなこと」などについて、「実体験」を踏まえながら記事をアップしたいと思っております。

今回も、長文・乱文におつきあいくださり、誠にありがとうございました。
今日はこんなところです。