もしもの時に知っておきたい交通事故のいろは
~慰謝料が増額!?弁護士費用がタダ!?交通事故対応の極意~
今日の専門家
弁護士
編集部:最近、青商会の会員や家族が、交通事故に遭ってしまったという話を聞きます。いざという時どうすれば良いかわからない人も多いのではないでしょうか。その辺りの流れを簡単に説明してください。
はい。事故直後は、3つのポイントがあります。
①必ず、警察に通報してください。
警察に通報しないと事故があった事自体が証明できないので、保険金が支払われない可能性があります。あとは、その場で示談はしないでください。
②証拠を収集してください。
現場写真を撮ったり、状況をできる限りメモしてください。後で、過失割合の話になった際に、証拠が無いと不利になります。
③相手方の情報を収集してください。
事故の相手の住所・氏名・電話番号を確認し、契約している保険会社も聞いてください。相手の自動車ナンバーもメモしてください。
編集部:怪我があったら、病院や接骨院に通うことになりますが、注意点はあるのでしょうか?
まずは、「早めに治療を受ける」、「治療に行く日数をあまり空けない」ことです。例えば、事故から2週間経って初めて病院に行っても、「本当に、交通事故の怪我なの?」と疑われます。また、途中で病院に行かなくなると、「治ったのでは?」と思われ、治療費が打ち切られてしまいます。
編集部:後遺症が残る人もいると聞きますが。
通院期間については、例えば、むちうちの場合は、4か月~6か月程度の通院が目安でしょう。治療が終わっても後遺症が残っていると思ったら、自賠責保険を通じて、後遺症の認定申請をします。そこで、後遺症が認められれば、1級~14級の等級で認定がされます。むちうちの場合は、14級にあたる可能性がありますが、認められれば、保険金が少なくとも100万円は増えます。
編集部:よく、「交通事故に遭ったら弁護士に」と聞きますが、何かメリットはあるのですか?
実は、保険金には三つの基準があります。①自賠責基準、②保険会社基準、③弁護士基準。保険会社からすると、できるだけお金を払いたくありません。そこで、②の独自の基準で保険金を計算してきます。しかし、裁判所が決める本当の相場は、③の弁護士基準です。②と③では、慰謝料だけでも、数十万円~数百万円違ってくる事もあります。弁護士が入った場合、③の基準で交渉をするので、その分保険金が増えるというカラクリです。保険会社の言い値で示談した場合は、実は損をしてしまっているケースが多いのです。
編集部:そうなんですね。でも、弁護士費用は高いのではないでしょうか?
専門家:弁護士費用については、ご自身が「弁護士費用特約」というものに加入していれば、交通事故に遭った時の弁護士費用が全て保険ででることになります。これを使っても等級は下がりません。知らないうちに自分の保険に特約がついている事も多いので、交通事故にあった際は、必ずご自身の保険を調べてください。
編集部:とても勉強になりました。交通事故のカラクリがわかった気がします。最近では、事故に備えて、ドライブレコーダーを付けた方が良いとも聞きますね。皆様、交通事故には十分気を付けてくださいね! より詳しく聞きたい方は、編集部まで声をかけてください。
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