息子が3月半ばに一時帰国して2か月半。まだ日本にいる。


 大学が閉鎖されているので講義はオンラインで夜中に受けている。今期は22時からと朝5時からの授業が多い。合間にサッカーのチームミーティングが入る日もある。今は日本にいようが米国にいようがサッカーはできない。監督から指定された試合のビデオをあらかじめ見て、それをもとに話し合ったりしているらしい。大学の講義は先生もオンラインで自宅からやっている。回線のキャパシティの問題なのか画質がいまひとつで、先生がホワイトボードに書いた文字がよく見えないこともあるという。先生に言って、録画したのを後で見てもいいことにしてもらったようだ。それで昼間にビデオを見ていることもある。


 今期取っている科目は3つだけで、ビジネス微積分と情報分析、それにヒップホップ。


 ビジネス微積分はほぼ数学。日本でいう数Ⅲぐらいのことをやっていて、わからないところを聞かれることもある。でも、自分も文系で数Ⅲはちょっとかじったきりだ。だけど、今はネットで調べるとわかりやすくポイントを解説したものが見つかる。大学でも多少やったので、思い出しながら息子と一緒に考えたりもする。


 情報分析はExcelを使った分析手法が主で、息子は最初Excelの使い方があまりよくわかっていなかった。自分は仕事では使っていたので、基本的な操作はわかる。だけど、金融市場のデータをいじっていただけなので、深くわかるのはそこで使っていた機能ぐらいだ。他は聞かれてもわからないことが多い。でも、何をどう検索し、何を見たらいいかはわりと勘が働く。息子はExcelを使ったことがあまりないので、何をどう検索したらいいか見当が付きにくいようだ。最初は心もとなかったが、最後はだいぶ操作も早く、自分よりいろいろな機能を使いこなすようになっていたように思う。


 ヒップホップだけ異色だが、どうやらヒップホップにまつわる文化的背景やら歌詞に込められた社会問題などをやっているようだ。オンラインで緩くやっているように見える。


 サッカーはチームミーティングだけなので、体を動かすのは、中学の同級生と2人で毎朝1時間ほど走るぐらいだ。ボールを蹴る場所はあまりない。一度、ボールを蹴れる公園に行ったが、ちびっこがいっぱいいたとかで、わりとすぐに帰ってきた。

3月14日(土)


00:49 息子の留学先の大学からメールが来た。「可能な方は春休みに帰国し、最初の2週間はそこから授業を再開することを強くお勧めします。寮やアパートの退去準備のために、以下のことを行ってください。」とのこと。
01:25 息子からLINE「おれ日本に帰らないといけないかも」
01:27 息子「でもにほんの方が感染率高いよね 可能性」
01:27 自分「いや、ここ何日かアメリカが急増してる。日本は検査数が少ないだけかもしれないけど。いま一番増えてるのはヨーロッパ。イタリア以外にもスペインとかフランスとかオランダとか。なぜかはわからないけど。」
01:31 自分「で、まだどうなるかは決まってないの?コーチはなんて?」
01:35 自分「ついさっき大学からメールが来てまだちゃんと読んでないけど、寮のスタッフの人手が足りなくなりそうだからなるべく家に帰ってみたいなこたかな?」
01:37 息子「帰るわ」
01:39 自分「みんな寮を出そう?」
01:42 息子「うん」
午前9時過ぎ 往復の航空券を予約。


3月15日(日)


 午後4時 成田着。


 タイミング的にほぼ学期末で、10日ほどの春休みに入る直前だった。提出物は日本から出したりすることになった。春学期は3月31日から始まるら、当面はオンラインで行うことになった。早ければ4月10日から大学キャンパス再開の可能性があったので、3月15日帰国、4月9日にアメリカに出発という往復航空券を予約していたのだが、その後、米国の状況は急速に悪化し、結局、春学期中はずっとオンラインでの講義になった。再渡米の予定は立たない。帰りの航空券はキャンセルし、息子はまだ日本にいる。


 講義は当然ながら米国時間でやるので、夜中に起きている。夜10時からの講義もあれば、朝の5時からというのもある。講義が朝の7時に終わると、そのままランニングに行って、帰ってきて風呂に入ってひと眠り、といった生活だ。夕食後も寝たりしている。サッカーはオンライン会議アプリ「Zoom」でチームミーティングをやっているだけだ。完全に米国時間で生活するわけでもないし、日本時間でもない。睡眠を分割して取っていて、とても不規則になっている。


 昼間は親が在宅で仕事、夜は息子が講義やミーティング。食事はだいたい一緒だが、息子に合わせるところもあり、家族の生活リズムもちょっと変になっている。でも、息子がオンライン講義で受け答えをしたり、チームミーティングでコーチやチームメイトとやり取りするというのはいい。普段は見られないし。


 米国からの帰国者に対して自宅などでの2週間の待機が要請されるようになったのは3月26日。息子が帰ってきたのはそれより10日以上早かった。息子の大学の対応は早い方だったと思う。ギリギリに帰国した留学生、まだ米国に残っている留学生もいる。

 息子は、アメリカで電話番号を取ったので、銀行口座も開設できた。携帯電話はスプリント、銀行口座はJPモルガン・チェースである。今までは現金が必要なら日本の三菱UFJの口座に入金して、現地でデビットカードで引き出していた。今度は米国の銀行にじかに送金もできるようになった。ただ、日本の銀行からだと手数料が高い。これはトランスファーワイズという送金サービスを使うと安いし早い。為替レートもいいようだ。


 残った問題は、日本のソフトバンクの携帯の契約をどうするかだ。いくつか案はあった。


(1) ソフトバンクを解約して、アメリカの電話会社だけにする
 スプリントなら休みで日本に帰っている間は週に20ドルほどで日本の回線を使えるらしい。それに、最近は連絡にはLINEなどを使っているようなので、通話には電話番号はあまり必要ではない。ただ、日本で使っていた電話番号がなくなると、クレジットカード会社や銀行に電話番号の変更をするのが手間だ。また、何かのパスワードを忘れた場合、セキュリティのために携帯電話のSMSにワンタイムパスワードを送るなどということもある。たぶん、いろいろなメンバーシップとかサービスに登録する際に、携帯番号も登録しているだろうが、それを全部変更するの大変。


(2) ソフトバンクの契約はそのまま維持して休止しておく。
 留学などで使わない場合に最大5年間、休止状態にできるらしい。日本に帰ってきたときは休止状態を解除してiPhoneのSIMカードをソフトバンクのものに差し替えて使える。


(3) 家族ごと同じ格安スマホに乗り換える。
 ソフトバンクから格安スマホに乗り換え、日本に帰ってきたときはiPhoneのSIMカードをスプリントから格安SIMに差し替える。格安SIMなら月に千円台からあるので、維持費は安く済む。さらに、家族全員乗り換えればかなり安くなるはず。


 この中では(3)の格安スマホ乗り換え案がいいかと思っていたのだが、あまり詳しく調べないうちに息子が年末年始に帰省する時期が来た。とりあえずソフトバンクのSIMカードも持ってくるにように息子に言ったところ、アメリカで紛失したという。というわけで、検討は棚上げにして、とりあえずソフトバンクの契約を休止状態にしただけで終わった。SIMカードはまた次に必要になった時に再発行してもらえばいい。


 年末年始の休みが終わって息子がアメリカに戻ったと思ったら、また別のハプニング。息子がペイパルという決済サービスの口座に友だちから送金してもらったのだが、ログインするのに電話番号が必要なのだという。ワンタイムパスワードでも送られてくるのだろうか。しかし、電話番号は休止だしSIMカードもない。本人が日本でソフトバンクの窓口に行かないとどうにもならない。結局、次に帰国してからということになった。

 息子が留学に発つ前、わが家は一家でdocomoの携帯を使っていたのだが、ソフトバンクのアメリカ放題というプランを使えばアメリカでもそのまま電話が使えるというので、息子のスマホだけソフトバンクに乗り換えた。


 ところが落とし穴があった。


 チームメイトが息子に電話をかけたがらないのだという。息子がコーチからそう言われたそうだ。アメリカ放題は日本の電話番号をそのまま使っているから、チームメイトから国際電話料金がかかると思われたのかもしれない。


 また、銀行口座を作るには米国内の電話番号が必要だという。今はまだ生活に必要なお金はクレジットカードかデビットカードを使っているが、引き落とし口座は日本国内である。そうすると為替レートが悪いような気がするので、アメリカに口座がある方が便利だろうとも考えられた。


 それから、息子によれば、アメリカでiPhoneにアプリをインストールする場合、アメリカ国内の電話番号が必要なのだという。要するに新たにアプリが入れられない。日本他に方法があるのかもしれないが、あれこれ高度な裏技が必要なのかもしれない。


 そこで、やはりアメリカの電話番号が必要だということになった。調べてみると、アメリカの電話番号が取得できるアプリもあった。でも、そのアプリを入れるにはアメリカの電話番号が必要だということがわかった。どうやらアメリカ国内ですでに番号を持ってる人がサブの番号として取るといったことが想定されているようだ。


 結局、アメリカで契約するしかないということになって、息子がスプリントの携帯電話の契約をした。本体は日本から持って行ったiPhoneをそのまま使うために、ソフトバンクのSIMロックを解除して、スプリントのSIM カードに差し替えて使うことになった。問題なく使えているようである。

 息子の大学は去年は強かったのだが、今年はなかなか勝てない。先週末の試合も延長戦で負けた。息子は1得点。実況アナウンス付きのライブ配信があり、試合が見られた。


 アメリカの大学サッカーは、ルールがちょっと日本とは違っている。


 まず、交代でいったん下がった選手でもまた出すことができる。息子は今回途中出場した後、交代でいったん下がり、その後また出ていた。


 また、延長戦はゴールデン・ゴール方式で、どちらかが得点した時点で試合終了になる。


 それから、時間表示がバスケットボールのようにカウントダウン方式である。45分ハーフならスタート時が45分で、試合終了時が0。選手のケガなどがあった場合はそのつど時計を止める。で、前半も後半も残り時間が0になるとブザーが鳴って終わり。アディショナルタイムはない。


 アディショナルタイム方式だと、45分経つまで残り時間がわからない。それに、アディショナルタイムの表示は1分刻みだから、中断した時間が3分30秒でも表示は3分とか4分になるのだろう。実際は、主審の裁量で、「プレーの切りのいいところ」で止める。カウントダウンだと中断した3分30秒だけ時計が止まっているだけ。あくまで残り時間が0になったら終わりなので、ゴール前でGKと1対1になった場面でも終わる。いかにも合理的なアメリカらしい。


 カウントダウン方式はアメリカのプロサッカー、メジャーリーグサッカーでも採用されていたのだが、今は国際的なアディショナルタイム方式になっている。大学サッカーは変わらず残っているということか。


 試合のライブ配信は、各大学それぞれの方法でやっていて、大学のウェブサイト上で見られるものもあれば、YouTubeのライブ配信を使っているところもある。息子の大学の場合、大学のHP上から入って見る。試合全部の動画はCBS Sportsが配信している有料のもので、ハイライト動画などは無料といった具合になっている。


 ハイライト動画は編集に凝っていたりして、プロスポーツっぽい。実況中継は大学(と契約した?)のアナウンサーがやっている。中立ではないので、実況も自チーム寄りだ。選手の紹介も、自分の大学の選手は詳しくやっている。

 ちょっと前なら海外に行った息子の試合など見ることもできなかっただろう。有料でも見られるのはありがたい。月額1,000円程度だから、日本で試合を見に行くのより安いぐらいだ。