「雨しょぼ」なる言葉が気になった | 無精庵徒然草

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無聊をかこつ生活に憧れてるので、タイトルが無聊庵にしたい…けど、当面は従前通り「無精庵徒然草」とします。なんでも日記サイトです。08年、富山に帰郷。富山情報が増える…はず。

 ← 山本 文緒 (著)『ばにらさま』( 文藝春秋) 「冴えない会社員の広志にできた彼女は色白でとびきり可愛い“ばにらさま”。彼女は、バニラアイスみたいに冷たい…。痛くて、切なくて、引きずり込まれる。日常の向こう側に見える心の...」

 

 山本 文緒 作の『ばにらさま』を9日(金)に読了。山本文緒作品は少なからずある。今までに読んだのは、『プラナリア』だけ。実は、どちらも題名で選んだ。プラナリアは、いつか自分が小説を書くならこのタイトルでと思っていたし、『ばにらさま』も、バニラヨーグルトが吾輩のマイブームだから。遺作でもあるし。そうでもないと、どの作品を選べばいいか分からない。

 彼女の死は突然だった。「2021年4月、私は突然膵臓がんと診断され、そのとき既にステージは4bだった。

 彼女の小説は、ほぼ処女作の『プラナリア』に象徴される気がする。プラナリアは、全身に幹細胞を持つ。「三角形の頭に小さな目が2つ並んでついていて、平べったく細長い体をゆらしながら、水中をスーッと這うように移動する生物。」「プラナリアは未分化な幹細胞が全身に存在しており、体の位置情報に従い幹細胞の遺伝子を目的の組織に分化するよう操作して、失った体を正しく再生することができる」

 山本文緒の主人公…というより語り手自身、よく言えば融通無碍。だが、実のところ、感性が敏感で神経が細やかで、瞬間的に相手をこうと思ったりもするが、すぐに思い直したりする。

 小説『プラナリア』の感想でも書いたが、「相手のふがいなさに歯噛みする女性の、どうにも踏ん切りの付かない様子がある種のユーモア感覚も漂させながら、それでも切なさに苦しむ姿が印象的に描かれている。現代ならこんな女性像は時流から外れている?」 あるいはそうした女性が今時の女性なのか。

 

  ← 二井 一禎 著『われら古細菌の末裔 ―微生物から見た生物の進化―』( 左子 芳彦 コーディネーター 共立スマートセレクション 38 共立出版) 「40億年の生命の歴史のうち、これまであまり取り上げられることがなかった、最初の30億年の微生物の時代の進化を主題として扱い、原核生物~真核生物の進化を一連のつながりのなかで解説する。

 

 二井 一禎 著の『われら古細菌の末裔 ―微生物から見た生物の進化―』を9日(金)に読了。ほとんど題名で…われら古細菌の末裔で本書を読むと決めた。「40億年の生命の歴史のうち、これまであまり取り上げられることがなかった、最初の30億年の微生物の時代の進化を主題として扱い、原核生物~真核生物の進化を一連のつながりのなかで解説する」

 

「われわれ動物や植物の祖先として、細菌や古細菌のような原核生物を想定して進化を考える人はほとんどいないだろう。 (中略)このことを可能にしたのは、アメリカの微生物学者、カール・ウーズである…(中略)ウーズが成し遂げた偉大な業績を紹介し、その延長上で繰り広げられた真核生物の誕生をめぐる研究者たちの熱い議論を辿ることにより、進化を捉える新しい視点を提示する。」という内容。

「生命の成り立ちや進化に興味のある高校生、大学生、大学院生や社会人を含む幅広い読者に読んでほしい一冊である」ということで、やや教科書的だが、生命の誕生と進化の解明は、「従来、形態観察と化石に頼ってきたため多くの推測を含む仮説が林立してきた。」

 が、「近年次世代DNAシーケンサーの開発により情報科学を駆使したメタゲノム解析の飛躍的な進展に伴い、難培養性の微生物でも正確な進化系統解析が可能となり、生命の進化とその系統関係についてより精度の高い成果が得られるようになってきた。(中略)おかげで、今まさにこの時期に生命の誕生と進化や真核生物のルーツについてまとめるタイミングであるとの強い決意を持ってまとめあげたのが本書である。」(左子 芳彦 コーディネーター)

 吾輩ごときが感想など僭越である。ひたすら研究の進展ぶりを遠くから眺めるだけ。それでも、苦労ぶりに目がしらが熱くなったりする。使命感で書いた本なのである。

 著者は、「1977年京都大学大学院農学研究科博士課程修了。現在、京都大学名誉教授、農学博士。専門、森林微生物生態学」

 コーディネーターの左子 芳彦: 「1976年京都大学農学部水産学科卒業、1981年京都大学農学研究科博士課程研究指導認定、1982年京都大学農学部助手、1986-87年西ドイツMax-Planck研究所客員研究員、1992年京都大学農学部講師、1996年京都大学農学研究科助教授、2004年京都大学農学研究科教授、2019年同大学名誉教授、2019年公益財団法人発酵研究所理事。

 

 

 

 ← 明日は休みなので庭仕事を精一杯。チェーンソーを使って伸びきった杉、松、椛などの枝葉を切り落とした。脚立に昇って懸命に。やるだけのことはやった……けど、他人には庭の見掛けの変化は分からない? 作業後、シャワー。久しぶりにシャンプーを使って髪を。先月 1回 シャンプー使ったかな。 (06/12 22:33)

 

 ← 剪定作業後、竹箒で落ち葉を掃いてたら、えげつない色のキノコ発見。 安心してください。食べてませんから。……パクッ! (06/12 22:27)

 

 帰宅して、昨日のハードな庭仕事の追加の剪定してたら、生け垣から飛び出してきた蜂に刺された。何10年ぶり。瞬間の痛さ。でも体は瞬時に反応し(事態が分からないうちに)腕を振り払った……影を追ったら蜂だったのだ。条件反射の早さに妙に感激。まだ、体は老衰してない? (06/13 17:57)

 

 ← 画像は我が家の内庭の椛。大きくなりすぎて、枝葉が蔵の屋根に。可哀想だけど、チェーンソーでカット。痛々しい姿。内庭の巨木の松が最後に残ってる。脚立に昇って高枝鋏を伸ばしても枝に届かない。こればかりは業者に依頼か思案。 (06/13 08:04)

 

 森 銑三著『渡辺崋山 (1961年) 』(創元選書)を書庫で発掘。明らかに父の蔵書。1961年刊(改版)だが、原書は1941年刊か。崋山については、ドナルド・キーンの本を読んだことがある。まさか我が家に森 銑三の本があったとは。 (06/13 08:56)

 

 ラインハルト・ゲーレン著の『諜報・工作―ラインハルト・ゲーレン回顧録 (1973年)』を書庫で発見。50年前の本。父の蔵書か微妙。我輩が買った? 読んだ記憶なし。諜報員……スパイの回想録。面白そう。 (06/13 07:41)

 

 ← 富山県埋蔵文化財センター企画展「見て、知って!とやまヒストリー2023」へ。「旧石器時代から近現代までのとやまの歴史を、富山県内で発掘された出土品を通して紹介する展示」……久々 バイクを駆ってミニツーリング。昨日のハードな庭仕事の御褒美。新潟の火炎土器には敵わないが、なかなかの土器も発掘されている。

 

 十数年前、小竹貝塚(富山市)からは、「大半を汽水産のヤマトシジミで占められた貝層の厚さは2mを超え、日本海側最大級といわれます。貝殻の廃棄域には墓域も含まれ、ここから縄文時代前期としては全国最多となる91体の埋葬人骨が出土しました。この他、木製品や骨角器など、残りにくい有機質の遺物が非常に良好な状態で出土しました。」

 91体の埋葬人骨! 展示されてるほぼ完全な人骨は、何度見ても迫力ある。 (06/13 17:49)

 

 

 ← 今日 行ってきた「富山県埋蔵文化財センター」の入り口付近に「大賀ハス」が。    古代ハス二千年の夢と咲く    我が家にも巨大な甕にハスが育ってた……のに、我輩のドジで枯らしてしまった。ハスよ~~~カムバ~~ック! 発掘されたクルミを観てたら、やはり縄文式土器は収穫した木の実や貝を基にイメージしたんだと実感したよ。 (06/13 18:30)

 

 余談だが、最近また家内(台所の流し)にナメクジ出没。たまたまお湯を沸かしてたのでジュッとやったら死んでしまった……? (06/13 18:18)

 

 森崎和江著の『からゆきさん 異国に売られた少女たち 』(朝日文庫)を読んでたら、「雨しょぼ」なる言葉が。本文を読めばおおよその意味は分かる…。

 

 ← 富山県埋蔵文化財センターの館内に入ると、最初に目にする展示物。五箇山の合掌造りに繋がるような。雪国仕様なのかな。例によって館内に観客は我輩のみ。いつも職員のほうが多い。恐縮する。 (06/13 18:21)

 

 先月入手していたウラジーミル ナボコフ著の『ナボコフ短篇全集〈1〉』をようやく今夕から。古書店で発掘。〈2〉は古書店にはなかった。〈1〉も手付かずだったし、〈2〉なんて最初から入手してなかったんだな。ヘンリー・ジェイ・プリスビロー著の『意識と感覚のない世界――実のところ、麻酔科医は何をしているのか』と交互にゆっくり日にちを費やして読んでいく。
 (06/13 19:17)