安藤昌益『自然真営道』に手を付ける | 無精庵徒然草

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無聊をかこつ生活に憧れてるので、タイトルが無聊庵にしたい…けど、当面は従前通り「無精庵徒然草」とします。なんでも日記サイトです。08年、富山に帰郷。富山情報が増える…はず。

 ← 『バルテュス(新装復刊)』(阿部 良雄/与謝野 文子 編集(2001/05発売)白水社) 「バルテュスの世界への案内書。バルテュスに魅せられた詩人・文学者たちによって語られたオマージュと多数の図版を集めて、巨匠の全貌に迫る!」

 

 29日(土)は休みだった。日中は快晴ではないが晴れていた。午前中の畑での草むしりや落ち葉拾い作業で疲れ、日中は読書…本を手に寝落ち。コンビニの女子店員の相変わらずの意地の悪さの不快感を洗い流したくて、夜、三年ぶりの自宅の風呂での入浴再開二回目。やはり本を片手に寝落ち。

 『バルテュス』(新装復刊 白水社)の読了後は、山口昌男著の『「敗者」の精神史』と『太陽庭と家シリーズ〈4〉数寄屋の庭 (1980年)』を楽しんだ。

 ついにというか、ようやくというか、安藤昌益の『自然真営道』 ( 野口 武彦 (翻訳, 解説) 講談社学術文庫)に手を付けた。二週間じゃ読み切れないね。中央公論社の日本の名著シリーズの一冊で、1971年に出ていたようだ。当時は世界の名著シリーズをフォローするのにやっと。日本の名著には大学生になって親鸞や新井白石など折々。サボっているうちについに半世紀も経過。

 今日は、管 啓次郎 の解説だけ読んだ。それだけでも興味深いし、もっと早く読むべきと痛感。凄い思想家が日本には居た。こういう人物をこそ、テレビは採り上げるべきだ。…なんて偉そうなことは恥ずかしくて言えないね。

 

 

バルテュス(新装復刊)』を読了。「バルテュスの世界への案内書。バルテュスに魅せられた詩人・文学者たちによって語られたオマージュと多数の図版を集めて、巨匠の全貌に迫る」といった本。

 二部構成になっていて、一部は澁澤龍彦ら日本の書き手。二部はアントナン・アルトーなど海外の書き手:

1 危険な伝統主義者(渋沢龍彦)
 バルテュス譚詩(酒井忠康)
 ヴェネツィア滅ぶべし(阿部良雄)
 バルテュスとクールベ(阿部良雄)
 伝統のしずかなる挑発(与謝野文子) ほか金井美恵子や吉岡実、渡辺守章など。
2 ピエール画廊におけるバルテュス展(アントナン・アルトー)
 バルテュスに(ピエール・ジャン・ジューヴ)
 ラルシャンの記憶(ピエール・ジャン・ジューヴ)
「街路」(ピエール・ロエブ)
 バルテュスに(ポール・エリュアール) ほかピエール・クロソフスキーやガエタン・ピコン、オクタビオ・パス、アルベール・カミユなど。

 オマージュ集なので、図版はそこそこにあるが、白黒でやや本文の言及を図版で確かめるには中途半端。そこはネットでってのが便利と云うべきか。そのオマージュ文の大半は、バルテュスをほとんど掴めきれてない。というか掴めるのか、理解できるのか。あるいはそもそも言語化できるのか。絵画作品はそうしたものと云うと身もふたもないが、バルテュスはどの画家より常識的理解の外に屹立している。カフカやら持ち出して理屈を付けるのが関の山。ほとんどの書き手はバルテュスの世界を前に舞い上がってる。

 バルテュスは、ネコ好きで画面の中にしばしば登場する。その目はやばい眼光を放っている。観るものを警戒している嫌っている怯えている? 本人はスーラとかクールベを尊敬していることは夙に知られている。だからか、彼らに絡めて謎解きを試みる書き手が多い。吾輩には牽強付会に感じられた。

 それでも、「伝統のしずかなる挑発」(与謝野文子)など地に足のついた論考が散見されて救われる思いがした。付記すると、エミリー・ブロンテ『嵐が丘』へのバルテュスによる挿絵の数々が面白い。案外とこの辺りにバルテュスワールドへのとば口があるのかもしれない。

 

 ふと観たテレビ、「リアルすぎる油絵」画家・三重野慶さんの特集だった。こういう画家が近年日本でも目立ってきた。吾輩も関連する本は少しは手にしてきた。三重野氏は一つの作品の制作に数か月も費やすとか! YouTubeで豊富な情報が。

 リアルな凄い絵を描く画家は数々。水彩、鉛筆等:「写実絵画 画家リスト – 写真のような絵画を描く写実画家一覧・美人画/風景画多数掲載」 (04/29 20:42)

 

バルテュス(新装復刊)』を数日前より読んでる。明日にも読了か。バルテュスを展覧会で観たことがあるかどうか、記憶に定かじゃない。ただ、その個性ある作風に魅せられ、画集は即入手。当時は、自分には全く未知の存在だった。特異な少女愛の作風なのかとも思ったが、そうでもない。作品の世界に安易には入ることは叶わない。

 バルテュスの画集(トンボの本だったか)、持ってたはず…なのに、見つからない。上掲書はバルテュス論集で、白黒の絵(画像)が載ってるだけ。悔しい。カラーの絵、見たいの。ネットで見るしかないか。 (04/29 18:13)