新聞の書評頁から | 無精庵徒然草

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無聊をかこつ生活に憧れてるので、タイトルが無聊庵にしたい…けど、当面は従前通り「無精庵徒然草」とします。なんでも日記サイトです。08年、富山に帰郷。富山情報が増える…はず。

 

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← レールモントフ 作『現代の英雄』 (中村 融 訳 岩波文庫 )  「英雄とは,時代の犠牲者に他ならない.二十七歳にして決闘でたおれた反逆詩人のもっとも完成度の高い散文作品」。

 

 昨日(木曜日)は、雨が降りだす前にと、せっせと庭仕事。一時間半ほど作業したところで、雨がポツポツ。作業を切り上げて、茶の間で寛ごうとしたら、なんと汗びっしょり。真冬の庭仕事で汗だくになったのは、(雪掻きは別)初めて。気温、高かったんだ。今日は、一転して雪。小雪。

 

 さて、ひょんなことから、レールモントフ 作『現代の英雄』 を読み始めた。

「日系人イチメイとの悲恋を主軸に過去と現代のドラマが展開する、現代版『嵐が丘』」という謳い文句の、イサベル・アジェンデ作の『日本人の恋人』を読了。そこで、書庫で「嵐が丘」を探した。少なくとも二度は読んでいるし、文庫本を買って読んだ。が、見つからない。すると、棚の奥から本書の背が見えた。今時、レールモントフの『現代の英雄』なんて読まれていないだろう。題名からして、小説好きのものが手を出すわけがない。が、本書は傑作。27歳で夭逝した。

 

 本書は、吾輩が東京在住時代、フリーター生活3年を経てサラリーマンになって最初の頃に買った本。当時、どんな気持ちで本書を手にしたやら。ロシア文学への傾倒はまだ続いていたんだなー。
随分久しぶりの再読だけど、読み始めたら、ああ、こんな感じだったと記憶が蘇る。内容までは覚えていないけど。

 

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← 『 中国名詩選 上』(松枝 茂夫 編 ワイド版岩波文庫 26) 「中国の詩歌は3000年もの豪華絢爛たる歴史をもち,質量とも世界に類を見ない.「天上の星の数」ほどもあるそれらの作品の中から愛誦するにたる詩篇約600首を精選,読み下し文と現代語訳,注釈と作者略伝を付す」。 

 

 吾輩が読みだしたのは、中国名詩選〈上〉 (1983年) (岩波文庫) 。
 父の蔵書である。中国への関心が強かった父。定年後、篆刻に精進してきた。篆刻のための文言を探すために読んだのかも。吾輩は、ただ、漢詩が好きだから読む。赤鉛筆のラインが随所に。……「唐詩選 下」を買う予定が立たないので、今は本書を読むのです。

 

 親による子供への虐待。想像以上に深刻で、件数も多い。文学でも、同テーマを扱った作品は多い。ドストエフスキーなんて、最たる作家だし有名。彼の創作の根源には、子供が、幼い子が何ゆえに虐待されるのか、神はなぜそんな現実を許すのか、という深甚な問いがある。

 

参考:
ドストエフスキーと児童虐待―『カラマーゾフの兄弟』第5篇第4より (総合リハビリテーション 29巻4号) 医書jp.」(高橋 正雄):

 
カラマーゾフ家の次男イワンが,この種の事件の収集家だったため,例えば「知識階級に属する立派な紳士とその細君が,やっと7つになったばかりの生みの娘を笞で折檻」した事件を報告しているのである.この父親は,笞で一打ちするごとに情欲を募らせて10分間打ちつづけたため,最初は「お父さん,お父さん」と泣き叫んでいた娘も,しまいにはそれもできなくなって,ぜいぜい言うようになったという.

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← 佐藤 広美 (著) 『「誇示」する教科書―歴史と道徳をめぐって 』(新日本出版社) 教科書が何かを「誇示すること」の危うさに警鐘を鳴らす!

 

 新聞の書評で発見。「自虐史観」を批判する勢力がのさばり、「新しい教科書」は復古的で、戦前回帰。テレビ番組でも、日本の文化や風習は素晴らしいと、自画自賛するばかり。我輩、思うに、ほんとに愛国心があるなら、日本が自国民に、あるいはアジア各国に為した事実、歴史を冷静に検証しないと。自賛より、何処が劣っているかを、特集するような番組待望。

 

 広島・長崎・福島の悲惨を経験した日本は、なぜ、脱原発できないのか。政権の自覚を待っているなんて、世界に置き去りにされるだけ。全力で、再生可能エネルギーに邁進すべき。そしたら、停滞している日本にスイッチが入るよ!

 

 現政権は、首相補佐官に経産省の連中が抜擢されていることでも分かるように、原発利害(利権)で雁字搦め。電気労連の方々に期待するしかない。電源は大事。活路は再生可能エネルギーしかない。あなた方の自覚が頼り。日本のために、内部から革新刷新してほしいよ!

 

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← イラン・パペ:著『サピエンティア 55 イスラエルに関する十の神話』(脇浜 義明:訳 ) 「歴史の歪曲と情報操作によって生み出されてきたイスラエルに関する「神話」、すなわち虚偽にまみれた政治的プロパガンダの背景を読み解き、反証をあげて論駁する」。

 

 新聞の書評で発見。中東の混迷の元凶は、イスラエルであり、パレスチナ問題(石油資源を巡るアメリカなど、各国の思惑や宗教が絡む)。パレスチナ問題とは、要するにイスラエル問題。

 

 土曜日。日中は雨や雪が交互に。夕方、やけに静かだなと思ったら、案の定、雪。深々と。積雪…二桁にならなければいいな。
 今日は休み。買い物にも、当然ながら外仕事もなし。仕事の疲れを終日、癒す。
 夜の女。真夜中の街道をトボトボと。気になる。

 

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← 『世界の名著〈第55〉ホイジンガ』(堀越孝一訳 中央公論社)

 

 AI社会の行き着く先は……考える材料にしようと、昔、読んだ本書を引っ張り出してきた……んだが、勘違いだった。本書は、「中世の秋」。
 我輩は、いつしか、「ホモ・ルーデンス」だと、思い込んでしまっていた。ホモ・ルーデンス=遊戯人。哲学=学問(学校)は、暇を持て余す貴族が為し産むもの。古代ギリシャの哲人らを観よ! AIで仕事を奪われるに違いない、世の大半の人々は、ベーシックインカムを支給されて、ホモ・ルーデンスたるべし!ってか。

 

人間は遊びで進化した!「ホモ・ルーデンス」という“理想の講義”|今日のおすすめ|講談社BOOK倶楽部」:

 
遊びは自由な行為であり、「ほんとのことではない」としてありきたりの生活の埒外にあると考えられる。にもかかわらず、それは遊ぶ人を完全にとりこにするが、だからといって何か物質的利益と結びつくわけでは全くなく、また他面、何かの効用を織り込まれているものでもない。それは自ら進んで限定した時間と空間の中で遂行され、一定の法則に従って秩序正しく進行し、しかも共同体的規範を作り出す。それは自らを好んで秘密で取り囲み、あるいは仮装をもってありきたりの世界とは別のものであることを強調する。