由緒ある八田橋が危ない | 無精庵徒然草

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無聊をかこつ生活に憧れてるので、タイトルが無聊庵にしたい…けど、当面は従前通り「無精庵徒然草」とします。なんでも日記サイトです。08年、富山に帰郷。富山情報が増える…はず。

 富山市の特に市街地には、歴史や由緒ある個所というのは、悲しいかな多いとは言えない。
 戦災でめぼしいところが焼失したことも理由としてあげられるかもしれない。
 それでも、「日本一の神通川舟橋 」など、市街地にも見るべき個所はある。


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→ 「八田晴嵐」と題された石碑 実は、この橋を渡ることは結構あったし、橋のたもとにある石碑を眺めること、一再ならずあったのだが、「八田晴嵐」を小生、歌人の名前と勘違いしていた(つまり、調べてみたことがなかったわけである)!


 例えば、八田橋である。ここは、神通八景の一つで、景勝の地とされてきたのだ(今は、その面影を見出すには、かなりの想像力と歴史的地理的知識が必要である)。

 話を進める前に、せっかくなので、八田橋についての由緒話など。

「今はなくなってしまいましたが、昔この辺りは八田という地名だったようです。まだ明治36年の神通川の付け替えまでは、ここは神通川でした。川はここで曲がっていたので、激しく波立っていました。それで「八田が瀬」と言われ、景勝の地とされてい」(「出典: 富山市史通史 」より)たとか。


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← 八田橋の上からやや北西を眺めた光景。


 この橋の上をLRT(ライトレール)が通るという計画が持ち上がり、「LRTを通すには独立して路線部分だけ橋を作る必要があって、最初はけた橋のみを考えましたが、ガードも含めてコンクリートで少し化粧してみようということで提案し」(「都市公共交通と環境デザイン013 」より)たとか。

    

  八田橋の由来

八田と言う名は、神通八景の一つである。
佳人墨客は風雅を楽しみ、神通川を中心として、処々近江八景に
なぞらえ、「釣する人の打つれて一本(ひともと)の松の嵐に晴行程(はれゆくほど)、八田の
晴嵐(せいらん)(晴天の日立ちのぼる山気かすみの佳景)」を詠んだ、前田
利郷(としさと)は正甫(まさとし)の第七子で、剣道、書道、また歌学に長じていた。

                    平成十一年富山市


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→ この欄干の下、土台部分が緊急に補修が必要なのである。橋の上をライトレールが通っているのだ。

    

  八田晴嵐

  つる人も
  ここに??めん
  そらはれて
  あらしを残す
  川岸の松

      前田利郷作
      水島?潮書


 実は、この歴史や由緒ある八田橋に問題のあることが判明した。NHKなどの全国放送でも採り上げられていた。
八田橋 NHKスペシャル TVでた蔵 」によると:

2013年8月4日放送 21:00 - 21:50 NHK総合
NHKスペシャル 調査報告 日本のインフラが危ない

NHKが全国の自治体に行ったアンケートで、総点検の更なる課題があることが判明。多くの自治体では、設計図など建設当時の資料が残されていないという。この課題に直面している富山市役所には、詳しい構造のない概略図しかなかった。
取材班は、再び高木千太郎さんと共に八田橋を調査することに。市は5年前にこの橋の点検を行なっていたが、緊急の対応は必要ないと判断。しかし特殊な構造である八田橋は、窪みに板を嵌めこむため、繋ぎ目が存在する。再び点検をすると、繋ぎ目には大きなヒビ割れが発生していた。このまま補修を行わなければ、亀裂が進行して橋が落ちてしまうという。


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← 調査(?)観察のため、八田橋の近辺を見て回ったら、橋のたもとに床しい小路を発見。道の先が偲ばれる。


 何が問題かというと、「笹子トンネル天井板落下事故 」を受けて、全国のトンネルや橋など古くなった公共施設などの点検を受け、八田橋も一度は各自治体にて点検され、問題なしとされたが、全国から幾つかピックアップされて再度、専門家が点検したところ、とんでもなく脆い状態になっていることが露見したのである。
 27日だったかの、NHK総合のニュースでのテレビ画面では、係官が小さなハンマーで軽く叩くだけで、コンクリートがボロボロと崩れる場面が映し出されていて、あまりの惨状に驚いたものだった。
 この近辺は、富山市でも有数の渋滞個所で、交通量も多いし、何よりライトレール(路面電車)が走っている。
 やばい!