宇宙人はいるのだろうか。宇宙船なんてものは存在するのだろうか。
宇宙人がいるとして、我が地球にやってくるのだろうか。やってきたことがあったのだろうか。
来たことがあるとして、地球人は、宇宙人と遭遇したのだろうか。
← 地球 出典suma-to.net (画像は、「NASA発表、史上最も近くに地球型惑星を発見できるかも - NAVER まとめ 」より。
僅か(!)数光年先に、地球型惑星が存在するという。何が地球型といって、大きさや構成する物質の類似性もだが、何より水が存在するからなのである。
何といっても、水なのだ。
そもそも、我が地球の表層を循環し潤す水は、地球外からやってきた。そう、彗星が地球に激突して粉微塵となって、地球の表層の粉塵に、土になった。同時に、水をドンドン、齎してくれた。
水は宇宙からの賜物なのである。
水自体が、宇宙の象徴と思うべきなのだろう。
さて、2光年あまり先の第二の地球には、知的生命体が存在しうるとか。
とっくに存在し発展し、膨張し、脹れ過ぎて破裂してしまっているかもしれない。
ただ、白鳥の歌が聞こえたに違いない。
末期の吐息、断末魔の悲鳴、最後の望みが宇宙船となって、故郷の惑星を離れ、一番近いはずの我が地球を目指した…はずなのである。
二光年を旅するには、どんなに早い飛行体であっても、膨大な時間を要する。が、光の早さに近い速度を有するなら、彼ら惑星人の時間感覚では、半年ほどもあれば、到達しえたはずなのだ。
光の速さにギリギリ漸近する速度の宇宙船は、宇宙空間中に漂う水素たちが、辛辣極まりない放射線となって被弾してきたに違いない。
宇宙船は、際限のない放射線の礫(つぶて)を浴びて、ボロボロになってしまう。中に生命体が居ても、遺伝子がズタズタに切り裂かれてしまう。
恐らくは、そんなことは奴らは百も承知のはずだ。
遺伝子を蔵する生命体ではなく、肉体も遺伝子をも情報の集積へと還元し、宇宙船の中に膨大な数のコピーを蔵しておいて、大半のデータが破壊されても、ほんの一つか二つくらいは運が良ければ、生き延びて、それが数か月後には我が地球に到達すると希(こいねが)ったのだろう。
あるいは、宇宙のワームホールをワープしようとしたのか。
ワームホールの中には何もないと信じて。
そんなはずはなかっただろう。穴の中には、安定しえる時空などありえなかったはずだ。暗黒のパイプの中は、どんなものであっても、震える心以上に崩れやすいのだ。
彼らの成れの果ては、砂塵よりも細かな粒子だ。放射線と化した水素という弾丸と衝突した果ての浮遊塵。
我が地球には、常に無数の隕石が飛来し大気にぶつかって蒸発して果てる。
その中に宇宙船それとも宇宙人の成れの果ての微粒子どもが混じっていると、誰が思おうか。
実は、ホントは、宇宙人の成れの果てに接することはできる。
宇宙人を破砕し尽くした水素原子が宇宙塵と固く睦みあって、隕石となって地球に飛来したのだから、水の一滴一滴の中に、必ず、数光年先の彼方で、宇宙人が粉砕されて水素と結合した粉塵が混じっているはずなのである。
あるいは、宇宙人の変わり果てた姿である塵芥と交合し合った水素分子が必ずや混じっているはずなのだ。
降る雨を眺めると、あれほどに懐かしい気分が湧いてくるというのも、遥かな旅路の名残りを嗅ぎ取っているからに違いない。
(「地球近くで3個のスーパーアース発見、全てハビタブルゾーン内 国際ニュース AFPBB News 」といったニュースに接しての、ナンセンスな想像。)