第16話『重すぎた部室のドアノブ』





退院した頃、大学は学祭ムード1色!

あらゆるサークルやゼミが学祭の準備を行っていました。

もちろん私が所属していたテニスサークルも例外ではありません。🎾

私のサークルは例年、1年生が学祭の出店の運営をすることになっていました。🍟




しかし、、私は入院や治療でその準備には一切参加できませんでした。

そして、都合よく、「当日だけ」(楽しいときだけ)参加ができるような調整ができました。




最初は嬉しかったです。

当日だけでも参加できる!!

そうして楽しみだった当日を迎えます!




しかし、、

当日になってみると、

話し合いも準備も一切参加してないやつが参加してもいいのか、、みんなはそんな自分のことをよく思ってないのではないか、、



そんなことが頭によぎります…。




部室の前に行くとより一層のその思いは強まり、ドアノブに手をかけ、いくつか深呼吸をしました。




そして、そんな

重すぎた部室のドアノブを回し開けました。





「おー!きたやん!」

「おかえり!待ってたよー!」

「やっぱお前おらな始まらんわ!」





……私は未だにこの話をたまに同期がいる飲み会ですると、お約束のようにちょっと泣きます笑🥹




この時、本当にこの人たちを大切にしようと思えました。




今でも仕事の話、失恋の話、全員がなんでも話せる、心を許せる仲。

そんな人達に対し、そう思える機会があったというだけで、

怪我の、否!、癌の功名!!



これは、癌になったからこそ芽生えた感情。

その中でも書いておきたかった印象的な思い出。






次回は闘病生活で一番恥ずかしかったお話!?🫣



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