日頃政治ネタは書かない(書けないし)のだが、流石に地元の知事が決まるとなると少し書き残して置きたい。
なにより今回は出馬されている三名の方それぞれが面白く、選挙終わってすぐ名前を忘れられるような候補者がいないのだ。(少なくとも県民には)
まずは現職の河野 俊嗣 氏。(58)
この方は東国原知事が現職だったころの副知事であり、上司と部下のような関係。(実際の職務上の関係は公務員でないのでわからん)
東国原氏の次に、彼の路線を継承する者として出馬し当選した記憶があり、そこから長いこと知事をされている。
特別全国的目立ったなにかをしたというよりは、堅実に仕事をされ、宮崎の生産品のブランド化、付加価値の創出などを「宮崎フードビジネス振興構想」のもとに行ってきた。
これまで特に悪いことで報道されることもなく、基本的に知事選は「河野さんでいいんじゃない?」と安定感や存在感はある。
二人目は新人のスーパークレイジー君 氏。(36)
当初は、正直「どなたですか?」という感じでどこかのユーチューバーでも出馬したのかなと冷ややかな目で見ていたのだが、過去にも別県で出馬されており、気概がすごいなと感じた。
地元テレビのインタビューを見た感じでは、名前とは裏腹に正直で誠実な印象。
「できないこともあるけど、みなさんに教えてもらいながら、育ててもらいながらやっていきたい」
「若者に選挙に興味を持ってもらいたい」
といった趣旨の発言をされており、少なくとも過去最低らしかった前回の投票率を変えてしまう存在になっている気がする。
東国原知事も当時の選挙時は色々と叩かれる意見もでていたので、政治経験が少なくてもこういう方も出馬できる状況が健全だと思うし、結果は分からないが個人的には出馬してくれてありがたいと感じている。
三人目は前職の東国原 英夫 氏。(65)
説明不要、前知事であり1期で辞めた、知名度がとても高い人だ。
それ故誤解されている部分も多くあると感じている人でもある。
この方が知事になったタイミングは良くも悪くも宮崎が騒がしい、あるいは騒がしくなる時期だった。
前知事の汚職事件があり、その結果行われた知事選ということもあり、
「しがらみがない候補者」像を全面に出し、実際知事に就任すると業界に慢性的に行われていた談合を破壊。
「ずっと持ち回りで仕事をやっていたものをよくも」、とその方面からは恨まれたりしたかもしれない。
とりあえず世間一般的には、金銭に関する面を洗浄した。
どれほど良くなったかはその業界でも公務員でもない私には肌感覚は分からない。
申し訳ないがこっち方面では説明ができないので次に行く。
他にも口蹄疫問題の対応やインフラ整備を訴えたりと様々なことをされたが一番の功績といえば間違いなく「宮崎のセールスマン」だろう。
連日報道メディアにジャージ姿を見せ、マンゴーやら地鶏やらをPR。
宮崎の観光名所として県庁が選ばれるなど通常ではありえない事態が起きた。
当時横浜に住んでいた私だが、そこのスーパーにすら、知事イラストのシールがはられた鶏肉が売られていたので驚いた。
よく宮城県と宮崎県を横浜の友人に間違われたが、流石にそれはもうないだろうと信じたい。
ここから彼をよいしょするような文言が増えるので、ご容赦いただきたい。
アピールとは裏腹にメディアに出過ぎといった意見もあった。
が、逆に問いたい。
彼以外がどうやって、テレビ局チャンネルも2つしかないような情報発信力が低い県のアピールができるのか?と。
いい商品や生産品、サービスがあっても、知られなければ買われないのだ。
マンゴーが高くなったというがそもそももともと県民が昔から食べていたものでないし、もっといえば初めからそういう需要のもとで生まれたブランドなわけで。
メディアに出てギャラを稼いで、商品宣伝や政策を訴えたり、それが悪で県をないがしろにしていると思っている方は、今回は彼にいれなければよい。
ほんとうにメディアに露出するって、言うほど簡単じゃないので。
ここ数年、宮崎で生きてきて情報発信力の強さは重要だとますます感じるようになった。
酒ブログらしく一応お酒に触れとこうと思うが、宮崎は多くの焼酎蔵を持っており、さらにそこから近年のスピリッツ類ブームのもとウイスキーやジン、ウォッカを製造している。
(ジン5銘柄、ウォッカ1、ウイスキー2箇所)※バリエーション違いはノーカウント
各酒造、特に尾鈴山蒸留所はブランディングや海外販路にもかなり力を入れている。
にも関わらず、県外はもとより、県内ですら「県産ジン」の存在をほぼ知られていない。
5銘柄もあるのに、だ。
もっといえば焼酎ですら代表的な霧島や木挽以外あまり知られていない状態である。
東国原氏がお酒関連のプロダクトに焦点を当ててくれるかは分からないが、今現状よりは注目度があがると予想される。
私が不満なのは、本当に商品宣伝がなかなか全国に浸透しないという点で、そもそも宣伝もあまりされていないという現状。
宮崎県は京屋酒造の「油津吟」をもって国産クラフトジンの初期組でありながら、話題性は他県のジンに埋もれがち。
これまでも焼酎イベントを開催しているがジンのイベントはないし専門店もない。
焼酎イベントも大々的に公費も(おそらく)絡んだ上で行われたこともあったが、視聴再生数は悲惨なものだったと記憶している。
そうした状況を変えられるのは、その点に限って言えば彼しかないだろうと思っている。
彼の著作や話によると一期でやめたのは、インフラ整備やら何か訴えたところで結局さらに上の部分が障壁となって実行できない。だから中央に行く。
みたいなことを言っていた。
逃げとか県を捨てたと言われたりした。
あの口蹄疫で駆り出される彼の仕事を見ていると、たとえ一期であっても逃げだとか捨てたとか私は言えない。
報酬カットしたり不必要な設備の利用をやめたりしていたのだから、仮にメディア出演で金銭を得ていたとしても、別にそれは裏金でもなんでもないのだからどうでもいい。
メディアは文言だとか使えそうなところを探して叩くことにやっきにならず(犯罪行為はもちろん暴かれる必要があるが)、各候補者の素養やできることに焦点をあてて、どの候補者が知事になっても功績を評価し分析し、宮崎の優れているところ足りないところを表出させて、色々な人が関われるような導線を作ってほしいと切に願う。
宮崎に新たな光があたりますように。