極たまにだが、飲食店のマナーアレコレ、法律とかを逸脱しない「あくまでも心がけ」程度の話題を目にすることがある。
「高菜、食べてしまったんですか!?」
はその筋で有名すぎるかもしれないが、それよりはもうちょっとソフトな話。
ある人がラーメン屋でラーメンをオーダー。
一口食べる前に普段の習慣であろう、コショウをラーメンにかける。
すると店主から睨まれ、まずは入れる前にスープの味を見るべきだ、などと注意を受ける。
はしょったりしたが大まかにこういう流れだ。
実際にあった話かは知らないが、それよりもぶっとんでいる「高菜、食べてしまったんですか!?」がどうやらリアルっぽいので、それより幾分穏やかなこういうケースはなくはないはず。
これについて私は「面倒くさいというか、店主の接し方次第でどうにでもできる問題なんじゃ」と思っていたが、”店側が悪い派”、あるいは”味をまず確かめろよ派”の意見が大多数を占めていたのは驚いた。
どっちかといえば”店側が悪いの意見”がほとんどだと思ったが意外と”味を確かめろよ派”もいるもんだ。
このブログにそってBarの話と絡める。
Barでのマナーというか、「まあそうしないほうがスマートだよね」という事柄がいくつかある。
その一つが以前に触れたことがあるが「おまかせで」といっておまかせすること。
常連や「おまかせ」というシステムを意図的にとっているお店ならともかく、そうでない場合におまかせを頼むことは「私の好きな食べ物あててごらん」と言ってるようなもので大変むずかしい。
Barは多種多様なお酒・カクテルがあり、飲食店で言ってしまえば和洋中華などすべてのジャンル・料理がある程度提供できるレストランみたいなものだ。
私自身は他人の「おまかせで」を一回だけ体験したが、少しBarの雰囲気が張り付いたのは覚えている。
と、ここまで書くと私が「おまかせ」を完全否定し、マナー違反だと言いたげだと思われるかもしれない。しかし実際はもう少しだけ温かい世界なのだ。
基本的にBarは贅沢な大人の遊びであり、わざわざそこに足を運ぶということはだいたいの人は”好みのお酒”というものを持っている。あるいは飲んでみたいお酒だ。
そこで「おまかせで」を頼む場合はBar慣れしてなかったり、”意識したお酒そのもの”への初挑戦であることが多いのではないだろうか。
そうした「おまかせ」の人々を受け止める包容力はBarにはある。(全てとは言わないが)
基本的にはそういうオーダーをされた場合、バーテンダーは好みのお酒の種類だったり度数の強弱、好きなフルーツの有無、味などを聞いてくれる。
そこから酒の味を覚え、銘柄を覚え、楽しみ方を覚える。
最初からスマートな振る舞いというものはなかなかできないものなのだ。
私も「おまかせ」こそしなかったが、Barに行くのに少しこなれた頃はジンのショットをロックで頼むことが多く、それ一辺倒だった。
しかしあるとき、ちょっといいジンをオーダーしたとき、
「これはストレートがおいしいですよ」
と、バーテンダーがアドバイスをしてくれた。
その前のジンはロックでやっていたので、わざわざ銘柄別での美味しい楽しみ方をアドバイスをしてくれたのである。
でも多分、押し付けではないんだよな。
ラーメンの話に戻るが、スープが命でそれをまず味わってほしいのならそれを嫌味なしに客に伝えるべきだ。
「あ、この客わかってねえな」
そんな思考が透けて見えたら本来美味しい店でも二度といかないだろう。
そうではなく、
「うちのラーメンはスープにこだわっていて、まず味を見てみてくださいよ。美味しいですよ」
という気持ちがあるなら、客に対して睨むとか横柄な態度は取らない。
ラーメンは大衆食として浸透しているため、通からそうでない人まで色々来る。
美味しい食べ方があるのならそういう食べ方をアドバイスをすればいいと思うだけだ。
客を育てて分かっている客が増えたほうが、いちいち険悪なムードを生むよりずっといい。
まあ、一応は横柄な態度というか、「味のわかるやつだけ来てくれ」な店もあっていいとは思う。
ただそれは変な勘違い客を追い出すのはかまわないが、純粋な普通の客までまず育てようとせず、追い出すのは行き過ぎな気はする。
お店と客がいい意味で対等でありそれぞれに有益である。
当たり前のことかもしれないが、そのへんのズレが近年大きくなっているのかもしれない。