スクリプトドクターの脚本教室・中級篇/三宅 隆太
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三宅隆太さんの『スクリプトドクターの脚本教室・中級篇』。
初級篇に続いて、本書もほぼ一気読みの素晴らしい内容でした。
初級篇より実践的で技術的な内容が多いです。
強固な構成やプロットに頼らずに
短編シナリオが書けてしまうアマチュアに向けて、
どうやって中編・長編のプロットを構成したら良いか、
具体例を挙げながら懇切丁寧に記されています。
その内容もさることながら、
現状の映像業界と、数あるシナリオ学校の問題点についても
根本的な問題提起があり、大いに頷いてしまいました。
日本のシナリオ学校って、
現状の映像業界にほとんど対応できておらず、
アマチュアはデビュー後に苦労を強いられることになります。
私も学校で学んだことの数十倍、数百倍、
実際に業界で学んだことの方が多かったのを思い出しました。
プロの世界は、
原作やクライアントの提示する企画に乗っかって
書けるかどうか……これに尽きるのですが、
この点をシナリオ学校で教えてくれることは少ないです。
オリジナル・シナリオを書くことを推奨するからです。
しかし、プロとして長期的に書き続けるには、
自分の外側から与えられたアイデア、
クライアントから振られた企画を、
いかに面白がれるかどうか、その好奇心に懸かっています。
その点も踏まえて、本書の実践的内容は
大いに参考になることでしょう。
最後に実例で挙げている『ラストサマー』、
久しぶりに観直したくなりました。