チャイコフスキーの交響曲第6番『悲愴』を聴きたいと思います。 

この交響曲も、何度も投稿しているので概説めいたことは、割愛させて頂きます。

ネットや書籍で各自で確認して下さい。

今回聴いたのは、クルト・ザンデルリンクが、1979年にベルリン交響楽団を指揮して録音した演奏です。


ドイツ産まれのザンデルリンクは、ナチスの反ユダヤ政策のためロシアへ亡命し、かのムラヴィンスキーの下でレニングラード・フィルの指揮者を務めました。なのでムラヴィンスキー譲りのチャイコフスキーは、お手の物です。


ザンデルリンクは、戦後東ドイツへ戻り、ベルリン交響楽団を手兵として活躍しました。


ザンデルリングのチャイコフスキーは、ムラヴィンスキー譲りのチャイコフスキーにドイツ的な堅固で手堅い造形美に溢れたもので、第二の祖国とも言えるロシアの情緒を織り混ぜた独自の世界を構築しています。


ムラヴィンスキー譲りとは言うものの、クールなチャイコフスキーにならずそこに温かみ溢れる情感を織り込む指揮をしていて、憂愁感を醸し出すような独特の滋味あるチャイコフスキーとなっています。誇張や虚飾のない自然な形でチャイコフスキーの美しいチャイコフスキー独特の旋律をイン・天で歌っています。


ベルリン交響楽団のドイツのオケらしい重厚な響きを保ち弦楽器、木管楽器、金管楽器のバランスに眼を光らしながら、しなやかに滑らかに鳴らし美しいチャイコフスキーとなっています。

そして、ベルリン交響楽団の雄弁な演奏が素晴らしい(第2楽章の悲哀を感じるワルツの演奏は、天晴れです。また、第4楽章の悲愴感の演奏は、ただ悲愴感だけでなく、そこに濃淡を附けながら終わる見事な仕上がりになってます)。それは、東側のベルリン・フィルと言える素晴らしい表現力です。


ロシアのチャイコフスキーとドイツのチャイコフスキーが上手く融合されたもので、派手さは無いですが、しっかりチャイコフスキーしてる演奏、僕はこの演奏大好きです。


1度聴いて見られることをお薦めしたいです。