R.シュトラウスの歌劇『無口な女』を聴きます。 

R.シュトラウスの代表的な歌劇、楽劇の台本の大半はホフマンスタールが担当していましたが、ホフマンスタールが鬼籍に入ったためこの歌劇は、ツヴァイクが台本を担当しています。
ただ、ツヴァイクがユダヤ人であったために、この素晴らしい歌劇はナチス政権下では演奏禁止だったとのことです。

より、細かなことはネットや書籍で確認して下さい。

演奏は、カール・ベーム指揮するウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で1959年8月8日にザルツブルクと言うことでザルツブルク音楽祭でのライブ録音によるものです。

歌手と配役は、以下の通りです。
ハンス・ホッター(モロズス卿)
フリッツ・ヴンダーリヒ(ヘンリー・モロズス) ヒルデ・ギューデン(アミンタ) 
ゲオルギーネ・フォン・ミリンコヴィチ(女中) ヘルマン・プライ(理髪師)他 

合唱は、ウィーン国立歌劇場合唱団です。 


この歌劇の初演も行っていたR.シュトラウスからの信頼も厚いベームによる指揮は万全で、ザルツブルク音楽祭ならではの豪華な歌手陣を無理なく歌わせて美点を引き出し、作品の魅力を高める見事な演奏を繰り広げています。


この歌劇は、『ばらの騎士』のように喜劇的な面を持ち合わせていますが作曲家R.シュトラウスの信頼を得てるベームが、この歌劇に書いたメロディーの魅力を洩らすことなく、そしてコミカルな面も忘れず完璧で見事なR.シュトラウスを聴かせてくれます。


歌手たちも、ザルツブルク音楽祭だから当時大活躍していた歌手が呼ばれてます。


ホッター、ヴンダーリヒ、ギューデン、プライ等

豪華な歌手たちの声の共演は、見事そのものです。まさしく、声の競演です。


ホッターについては、R.ワーグナーを歌う時と違ってモロズス卿のコミカルな面を浮かび上がらせる歌唱は、見事です。


ヴンダーリヒも、彼の持ち味である明るく伸びのあるテノールの美声に魅了されます。


ギューデンも当時ウィーンで人気のあるのが頷ける澄んだ美声が聴けて嬉しい。


プライも、当時若手で伸び盛りの存在感のある歌唱をしています。


その他の歌手たちも、熱唱をしていて歌劇『無口な女』を盛り上がてくれています。


ザルツブルク音楽祭でのライブ録音と言うことで、モノラルではありますが演奏の臨場感(たまに、拍手も入り)があり、ザルツブルク音楽祭の雰囲気を味わえる演奏でした。


機会があったら、聴いて下さい。