フォーレの『舟歌』を聴きます。 

ショパンの「舟歌」の1曲だけでなくフォーレの「舟歌」は、13曲も作曲されてます。作品集か組曲のようです。 

フォーレも優れたピアノ作品をかなり残しています。有名なところでは、この「舟歌」や「夜想曲」、バラードや無言歌等、それに室内楽でのピアノのパートもです。 

フォーレのピアノにも、ロマンを感じます。
但し、シューベルト、シューマン、ショパン、そしてリストの醸し出すロマンチックな香りとは違ったもので洗練され、粋で、センスの良いフランス風のロマンです。 

今回フォーレのピアノ作品は、久しぶりに聴きますが、ピアニストは当時フランスの新進気鋭として飛躍仕掛けていたジャン・フィリップ・コラールで、1970年に録音された演奏です。 


 甘いマスクをした彼を反映してか(モテただろうなぁ)、ピアノの音色、ピアノの演奏、醸し出す雰囲気等、全て甘く、円やかな感じのするピアノです。
だからと言って甘々したダラッとしたピアノではありません。

13曲ある舟歌のそれぞれの魅力、特徴を見事なまでに分析、吟味し、コラールなりの解釈を加え、見事なフォーレのピアノ作品に仕上げています。そして、しっかりフォーレの魅力を伝えて来ます。 

コラールのピアノを弾いてるのは解っているのですが、甘色の長い髪の乙女が、その長い髪を靡かせながらしなやかに滑らかに甘くピアノを熱心に懸命に弾いてるのをイメージしてしまいます。 

それ程、優しいタッチ(フォルテとかの強い打鍵においても)で、流れるままにフォーレを語り尽くす感じで聴けます。 

フォーレのピアノ作品を聴く上で、外せない名演です。
街のCDショップ屋さんで見掛けたなら購入して聴いて欲しい演奏です。