チャイコフスキーのオーケストラ曲を5曲程聴けます。 
今回聴いたのは、以下の通りです。 
・歌劇『エフゲニー・オネーギン』
からワルツとポロネーズ 
・大序曲『1812年』 
・イタリア奇想曲 
・幻想序曲『ロメオとジュリエッ
ト』  
・スラブ行進曲 

 これらの楽曲の詳細は、ネットや書籍で確認して下さい。いつもながらのことですが。 
とにもかくにも、チャイコフスキーの演奏会や録音において欠かすことの出来ない楽曲たちで、知る人のいない楽曲たちです。
誰しも小耳に挟んだり、必ず聴いた楽曲たちばかりです。 


今回聴いたのは、こう言った楽曲において抜群の手腕を発揮するカラヤンとベルリン・フィルの1966年に録音された演奏です。 
因みに、歌劇『エフゲニー・オネーギン』の2曲は1970年に録音されたものです。

さて、演奏ですがゴージャスで絢爛豪華に絵に描いたような超絶的な名演ばかりです。 
とにかく、美しさの頂点で更に面白い。
カラヤンの面目躍如的な演奏でチャイコフスキーのオーケストラの醍醐味、面白さ、魅力等の全てを網羅する演奏です。 
因みに、大序曲『1812年』には、ドン・コサック合唱団の歌声入ってます。 

『エフゲニー・オネーギン』のポロネーズとワルツの面白さったら、ありゃしない。
こんなにマーベラス、アメージングな演奏をするのは、カラヤンしかいません。
今に生きる指揮者には絶対にこんな演奏は、出来ません(カラヤンに、この歌劇の全曲録音して欲しかったなぁ)。 

イタリア奇想曲の憂鬱で魅惑的な出だしから、徐々に様々な形で展開されて最後の盛り上がりに持ってドラマチックなカラヤンとベルリン・フィルの名人芸が光ります。 

 大序曲『1812年』、ドン・コサック合唱団の合唱がロシア軍がナポレオン率いるフランス軍を打ち負かすことを予感する雰囲気を醸し出す合唱があり、後はカラヤンとベルリン・フィルの迫力満点の演奏がなり響き、それに大砲の砲弾を撃ち鳴らす音と鐘の音の合わさってフランス軍にロシア軍が勝利を納めるドラマを映画でも観るような感じの見事な演奏をしています。 

スラブ行進曲も、ロシアの寒々とした台地を悲壮感漂わながら行進する様を描いてますが、そこはチャイコフスキーそんな状況において兵士たちの心の狭間を見事に音楽で描写し、最後は帳尻合わせのように行進曲仕立てにしています。それをカラヤンとベルリン・フィルが、その模様を完璧に具現化する見事な演奏をしています。 

幻想序曲『ロメオとジュリエット』は、かのシェイクスピアの物語を、題材にしたもので幾多の作曲家が作曲をしていますが、チャイコフスキーの曲が手短にコンパクトに纏めていて、2人の悲恋と葛藤を見事に描いていると思います。
カラヤンとベルリン・フィルの演奏で聴くと尚更です。
彼らの耽美的でこれ以上ない程官能的(まるで、ワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』を聴いてよう)な演奏で、しかも滑らかで美しい。 

やっぱり、カラヤンとベルリン・フィルは最高です。
オーケストラの楽曲を演奏は、斯くありなんてな演奏です。 
天晴れ、流石です。 

交響曲に手が届かなかったら、これらの楽曲を是非とも聴いて欲しいです。 

彼らの演奏でチャイコフスキーの魅力が、グッと身近になること請け合いです。