ビゼーの歌劇『カルメン』を聴きます。
ビゼー並びにフランスを代表する歌劇です。
完全にヴェルディやロッシーニ等のイタリア歌劇、モーツァルト、ベートーヴェン、R.ワーグナーやR.シュトラウスの歌劇や楽劇に真っ向う互角に勝負出来る素晴らしくて立派な歌劇です。

この歌劇の細かなことは、割愛します。ネットや書籍で確認して下さい。

 今日聴いたのは、アバド指揮するロンドン交響楽団が1977年に録音した演奏演奏です。
 主な歌手と配役は、以下の通り。 
カルメン:テレサ・ベルガンサ 
ドン・ホセ:プラシド・ドミンゴ 
エスカミーリョ:シェリル・ミルンズ 
ミカエラ:イレアナ・コトルバスです。 

 その歌手は、割愛させて下さい。
 合唱は、アンブロジアン合唱団です。 

 アバドの『カルメン』の演奏は、冷静沈着で整理が行き届き、繊細で泥々とした生々しい人間模様とは程遠い演奏です。
カルロス・クライバーの生々しい熱気の充満した演奏とは、真逆の対局に位置する演奏です。 
スッキリとした演奏をお望みの方は、アバドの演奏を。イヤイヤ、人間の煮えたぎる様を表現をお望みの方は、クライバーの演奏をお薦めします。

しかし、総合的に『カルメン』を全体をドラマ通して『カルメン』を聴きたい場合は、カラヤンの演奏をお薦めします。 

「カルメン」の歌唱に関してはベルガンサの右に出る歌手は、いません(マリア・カラスも負けてるような気がします)。
 爽やかな色気と情熱的でありながら自由気儘に振る舞う「カルメン」を表現する歌唱は、流石ベルガンサです。
当時ベルガンサの「カルメン」の録音を待っていたのを思い出します。見事で素晴らしい。そして、美しい歌唱です。 

 ドミンゴの歌唱は、いつも通りの安定した瑞々しく伸びやかな美声を聴かせてくれます。熱愛のあまり「カルメン」を殺めてしまうところの表現は、流石です。ヴェルディの歌劇『オテロ』の「オテロ」のように見事な歌唱です。はまり役って、このことを言うのでしょう。

先代の松本幸四郎の弁慶のようです。 

ミルンズ、コトルバス等、その他の歌手たちも熱唱しています。アバドの意図する歌いっぷりで『カルメン』のを魅力を余すこと無く伝えてる素晴らしい歌唱をしてくれてます。

 歌劇『カルメン』の演奏において絶対に外せない素晴らしいものです。是非とも、聴いて下さい。絶対にお薦めの演奏の1つです。