R.シュトラウスの交響詩『英雄の生涯』を聴きます。

この交響詩に関する詳しいことは、ネットや書籍で確認して下さい。

今回聴いたのは、クレメンス・クラウスとウィーン・フィルが、1952年に録音した演奏です。

指揮者クラウスと作曲者シュトラウスとそれぞれウィーンにゆかりのある両者と音楽の都ウィーンに鎮座するウィーン・フィルとのは緊密な関係を感じる演奏です。

カラヤンやベームからすると一世代前に君臨した指揮者クラウスは、シュトラウスのいくつかのオペラの初演の指揮を任され、またシュトラウス最後の歌劇である「カプリッチョ」の台本はクラウスによって書かれ、初演もクラウスの手に委ねら何かに付けて作曲者シュトラウスと関係の指揮者です。

カラヤンとベルリン・フィルの演奏からすると、オーケストラの華麗できらびやかな演奏ではありません。
しかし、その分ウィーン・フィルから濃くのある流麗な音を引き出し、また過剰な演出をせず上品なあっさり味の中にシュトラウスの書いた素晴らしいメロディーとオーケストラの見事な響きの魅力を味わせてくれる素敵な演奏をしています。

どこまでもウィーン風な洒落た味わいは、このコンビならではの濃密なシュトラウスの音楽の世界を堪能させてくれます。
このウィーン風な洒落た感は、カラヤンも一歩譲るかなぁ。

しかも、バイオリンのソロはウィリー・ボスコフスキーです。ウィーン・フィルが誇る名コンサート・マスターです。その交響詩の中での伴侶を表現するバイオリンの音色にうっとりします。
時に感情の激しい表現、時に艶っぽくと女性の感情を事細かに聴かせてくれます。
『英雄の生涯』の中でもトップクラスあるバイオリンのソロだと思います。

もうかなり前の録音となりますが、現在活躍している指揮者では味わえないシュトラウスの魅力、醍醐味が得られる素晴らしい全ての点においてレベルの違う演奏です。

勿論、お薦めの演奏です。