日曜日の昼下がり、イディル・ビレットのピアノリサイタルのCDを聴きます。録音は、1976年にされたものです。

演奏されてる曲目は、以下の通り。
1.ショパン:マズルカ第 13 番イ短調
2.ショパン:マズルカ第 33 番ロ長調
3.スクリャビン:ピアノ・ソナタ第 10 番ハ長調 Op 4.プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第 2 番ニ短調 
5.プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第 7 番変ロ長調

彼女は、幅広いレパートリーで知られるトルコの出身の名ピアニストです。
どこのレーベルか忘れてしまいましたが、ピアノ独奏曲や室内楽、協奏曲等かなりの数の録音を残しています。

彼女のピアノは、ここに録音されているショパンやスクリャービン、プロコフィエフのそれぞれの魅力を懇切丁寧なタッチとペダリングによって引き出すものです。

トルコ人の弾くショパンのマズルカの演奏は、ある意味違和感を覚えそうですが、フランソワのマズルカを聴くようで、違和感なんか無く立派なショパンの演奏になっています。

一方、スクリャービンのピアノ・ソナタの演奏では、スクリャービンの幻想的で靄がかかる闇の中を迷い混んだような感じのスクリャービンの独特の雰囲気を醸し出す演奏をしています。

2曲のプロコフィエフのピアノ・ソナタでは、プロコフィエフの複雑に交錯するリズムを明確なタッチで見事に弾き分けて、プロコフィエフのピアノの分野における魅力を十分に伝えてくれる演奏をしています。

たまたま、HMVの中古のオンライン・サイト(最近は、ここばかり利用しています)を見ていて購入しました。値段もお安く、良い掘り出し物に出会いました。

実に、良い演奏です。