ストラヴィンスキーのハ長調の交響曲を聴きます。何曲かある交響曲の中の1曲です。

ストラヴィンスキーは、本当に作曲家としての才能には眼を見張るものがあります。それは、彼以前の大作曲家と遜色のないものです。作曲家としての引き出しが豊富です。こじんまりとしていますが、主張すべきところは主張し立派にストラヴィンスキーの交響曲と言えるものとなっています。

第1楽章、序奏なしの明るく軽快な意味深な主題で始まり、以降ストラヴィンスキーらしい音楽が展開して行きます。

第2楽章、優美な穏やかな雰囲気を漂わせるサロン風の音楽が、この楽章を覆い被せています。
途中に挟まれた現代音楽的でダイナミックな部分が現れて来ますが、サロン風な音楽との対比が面白いです。

第3楽章、古典派、ロマン派の交響曲に出て来るスケルツォ楽章とは全く景色の違うもので、素朴に始まったかと思えばどこか緊張感・不安感に持ちながらコミカルな面を持った楽章、音楽となっています。

第4楽章、ショスタコーヴィチを思い出すような主題で始まりますが、やがて力強い躍動感のある音楽に展開され、静かに消え入るように終わります。
音楽が展開してく様は、過去の先輩たちの交響曲と立派に太刀打ち出来るものです。非常に面白い交響曲です。

今日聴いた演奏は、サイモン・ラトルとベルリン・フィルが2007年に録音した演奏です。

ラトルの指揮は、彼の持つリズム感覚が冴えに冴え渡り彼のタクトが思う存分に活躍するもので、ベルリン・フィルの世界最高峰の演奏技術を隅々まで重箱をつつくように発揮させるような見事で素晴らしい演奏をさせています。
ベルリン・フィルは、そんなラトルの指揮に完璧に反応する演奏をし、ベルリン・フィルの実力を誇らしげにするような演奏をしています。

ストラヴィンスキーのリズムを存分に活かした演奏で、どこかで3大バレエ音楽に繋がってる交響曲だと思えるような交響曲です。

3大バレエ音楽以外にも、ストラヴィンスキーには魅力ある作品があることを知らしめる交響曲です。ストラヴィンスキーに興味を持ったら、必ず聴いて欲しい作品です。