小澤とボストン交響楽団が伴奏した、3人の作曲家が作曲した歌曲を、まとめて3曲聴きます。
歌手は、ソプラノのシルヴィア・マクネアーがラベルをメゾソプラノのスーザン・グラハムがブリテンとドビュッシー(マクネアーと歌っています)を歌っています。
タングルウッド祝祭合唱団(女性団員)は、ドビュッシーに登場します。

1995年と1996年に録音された演奏です。

今日聴いたのは、以下のものです。
それぞれの曲の細かなことは、ネットや書籍を参照願います。

1. ラベルの歌曲集『シェエラザード」』
2. ブリテンのイリュミナシオン
3. ドビュッシーの『選ばれた乙女』

3曲に共通しているのは、それぞれの作曲家が繊細で微妙に美妙な音の変化を小澤が読み取り、的確な指揮をしていてボストン交響楽団を巧みに操りそれぞれの作曲家の音楽の特徴を引き出す演奏をさせてます。やはり、この時期の小澤の絶頂期であり、ボストン交響楽団も黄金期だったように思います。

ラベルの熟練した繊細この上ないオーケストレーションを、まるで絵画を観てるが如く小澤とボストン交響楽団が演奏しています。マクネアーは、彼らの伴奏に乗っかって凪いでる海原を回游するように歌っています。

ブリテンでは、弦楽器だけの流麗で神秘的で魅力的な音楽が流れますが、小澤とボストン交響楽団の演奏が更にそれを何倍かに増幅させる演奏しています。ブリテンも数多くの作品を作曲していますが、僕はこの作品のブリテンの音楽が1番好きです。
10曲あるそれぞれ趣向の違った歌詞、伴奏される音楽を巧みに歌い分けるマクネアーの歌唱に魅了されてしまいます。

ドビュッシーは、ソプラノ、アルトの独唱と女声合唱およびオーケストラのために作曲されたカンタータで、幻想的で神秘的で透き通るような美しい音楽はまさにドビュッシーそのもの。
2人の歌手と女性合唱の歌声も、あたかも楽器のように溶け込みドビュッシーの魅力を存分に伝えてくれています。そして、素晴らしい。

小澤とボストン交響楽団の演奏は、このドビュッシーの魅力を最大限にパワーアップした演奏で、羽毛が風に流れて行くように、落ち葉が小川に流れて行くように繊細に瑞々しくそして清々しくドビュッシーの音楽を堪能させてくれます。

是非とも、聴いて欲しい1枚です。
癒されること請け合います(笑)。