フランクの交響曲ニ短調を聴きます。
フランスにおけるこのジャンルを代表する交響曲の1つであり、19世紀後半においても最も重要な交響曲の1つです。フランクが残した交響曲はこの1曲ですが、ベルリオーズの「幻想交響曲」に並ぶ人気を持ち、世界中のオーケストラの主要なレパートリーであり、世界中のクラシック音楽ファンに愛される交響曲です。 

この交響曲に関することは、ネットや書籍で確認して下さい。

僕が初めてこの交響曲に巡り会ったのがフルトヴェングラーとウィーン・フィルが1953年に録音された演奏ですが、今回聴いたのは、1945年の演奏で何でも、彼がスイスへの亡命直前のウィーンでの演奏会のライヴ録音の演奏です。演奏会場は、ムジークフェラインザールです。

フルトヴェングラーにしては、珍しいフランク物の指揮ですが、指揮振りはドイツの目線で見たものなのでフランス人が指揮した粋とかセンスには乏しいですが、交響曲全体をガシッと鷲掴みしたような指揮をしていて、細部に拘らず一気呵成にズドンと押し通すような指揮です。録音が古いですが、亡命寸前の状況も合間って熱気、迫力、興奮度と言う点では、フルトヴェングラーが1番のような感じがします。
この熱気、迫力、興奮度の点においては、名盤カラヤンとパリ管弦楽団の演奏より頭1つ抜け出ています。

対するウィーン・フィルもフランクの交響曲の演奏は、珍しい部類に入ると思います。
フルトヴェングラーに煽られ(勿論、良い意味で)、緊迫感、迫力をいつもの倍以上にさせてギアをトップに入れた熱い、情熱的な圧倒的な演奏をしています。
ウィーン・フィルもこんなに熱い演奏するんだと思います。
特に、フィナーレの第3楽章の畳み掛けるような、うねりを上げるような爆発的な迫力は筆舌に尽くし難い演奏です。
フルトヴェングラーの煽りに煽った指揮に完璧に応えるウィーン・フィルにも感服します。

ただ、如何せん録音が1945年(第2次世界大戦、終盤)だから、音が古いのが残念ですがフルトヴェングラーとウィーン・フィルの生の音が聴け演奏会の臨場感が味わえて嬉しい気持ちで一杯です。

フルトヴェングラー本気のフランクの交響曲ニ短調の魅力を味わいたいなら、1945年の演奏をお薦めします。