ヴェルディの歌劇『オテロ』を聴きます。
ヴェルディ歌劇を代表し、最高傑作である歌劇の1つです。そして、イタリア歌劇を代表するものです。
『オテロ』、そうシェイクスピアの戯曲を元に作曲家でもあるボイートが書いた台本にヴェルディが音楽を書いた歌劇です。これ以上のことは、ネットや書籍で確認して下さい。
とにもかくにも、シェイクスピアの本を読むのがまどろっこしい時は、この歌劇を聴くことにより『オテロ』を知ることが出来ます。
僕は、『オテロ』の世界に入り込みたい時は、専らヴェルディの歌劇を聴きます。


今回聴いた歌手と配役は、以下の通りです。
マリオ・デル・モナコ(オテロ)
レナータ・テバルディ(デズデモーナ)
アルド・プロッティ(イヤーゴ)
ネッロ・ロマナート(カッシオ)
トム・クラウゼ(モンターノ)
合唱は、ウィーン国立歌劇場合唱団
ウィーン少年合唱団

そして、指揮とオーケストラは、カラヤンとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団です。
1961年にウィーンで録音された演奏です。

長年『オテロ』と言えばこの演奏とされ、そして最高の演奏と言われ続けている名盤中の名盤です。
タイムマシーンで未来に持って行くべき録音です。

『オテロ』と言えば「黄金のトランペット」として名高いデル・モナコの強力で迫力があってスケールのとてつなくデカい美声、熱唱が聴けます。
後の世界3大テノールであっても凌駕することの出来ない『オテロ』が聴けます。

そして、ヒロインのデズデモナ役のテバルディがまた素晴らしい。最後に歌われるアリア「柳の歌」の美しくて艶っぽい歌唱は、うっとりさせらます。彼女のデズデモナに太刀打ち出来るのは、やはりカラスかなぁ。後は、フレーニかなぁ。

悪玉イアーゴ役のプロッティの骨太で憎々しい役柄を巧みに表現した歌唱は見事としか言えません。
そして、とにかく脇役の歌手まで配された豪華で贅沢な布陣の歌手たちの歌唱に魅了され、ヴェルディとシェイクスピアの世界にどっぷり浸れます。

カラヤン指揮するウィーン・フィルがまた素晴らしく、ヴェルディが書いた最高のオーケストレーションが施された最高傑作の音楽を徹底的に追求し、いつも言われる耽美的とは程遠い荒々しいまでの迫力と熱量を持った表情豊かな演奏を、カラヤンとウィーン・フィルが一丸となってしています。

この演奏を凌駕するものは、未だに現れていません。指揮者、オーケストラ、歌手、合唱とヴェルディの歌劇を聴くための役者がそろい踏みの演奏です。
強いて上げるなら後にカラヤンが再録音したヴィッカースとフレーニ、ベルリン・フィルとの演奏ぐらいかなぁ。

『オテロ』を聴くなら、絶対に外してはならない超絶な名演であることは確かで、自信を持ってお薦めします。