ボイトの歌劇『メフィストフェーレ』を聴きました。ロッシーニ、ヴェルディ、プッチーニ等のイタリアの歌劇作曲家の影に隠れがちのイタリアの作曲家ボイトによる唯一の歌劇です。しかし、歌劇として、それらの歌劇に負けない充実した内容のある壮大な音楽で立派な歌劇です。
ドイツの劇作家ゲーテの「ファウスト」を題材にした歌劇でもあります。

因みに、ボイトはヴェルディの歌劇『オテロ』、『ファルスタッフ』の台本を書いてます。

ストーリーその他のことについては、ネットや書籍に譲ります。

今回聴いたのは、ジュゼッペ・パターネ指揮するハンガリー国立歌劇場管弦楽団&合唱団です。
歌手と配役は、以下の通りです。
メフィストフェーレ:ライミー
ファウスト:ドミンゴ
マルガリータ:マルトン 他

聴かれる音楽は、イタリアの歌劇と言うよりフランスの音楽(まるで、ベルリオーズの歌劇見たいな)かと思うような感じがします。

特に、合唱の部分は、ヴェルディの歌劇での熱く情熱的な合唱とは違ったフランスを感じます。

主役3人の歌手のライミー、ドミンゴ、マルトンのいつもながらの安定した美声と卓越した歌唱で、役柄の心理を突いた見事な歌いっぷりです。

ドミンゴの伸びある綺羅びやかな歌声には、魅了されるしかありません。勿論、ライバルのパヴァロッティも歌ってますが、僕はその録音は持ってません。残念ながら。

タイトルロールを歌うライミーのメフィストフェーレは、やはりギャウロフの名唱には若干の魅力に欠けますが、しっかり自分なりのメフィストフェーレを豊かな低音で歌い上げて素晴らしい仕上がりです。

マルトンのマルガリータについては、歌唱そのものは素晴らしい歌声を聴かせてくれてますが、マルガリータと言えば清純さをイメージしますが、それが感じられない気がします。

どちらと言うと「ファウスト」に関連する歌劇は、主役3人のためのような歌劇ですが3人以外の歌手たちも美声を余すことなく出して歌い上げ、主役3人の歌手を盛り立てるものとなってます(当然ながら当然ですが)。

ギャウロフ、パヴァロッティ、フレーニが歌っている録音があるみたいなので、何れ聴き比べしたいと思ってます。