マーラーの交響曲第5番を聴きました。
彼が脂の乗り切った中期の交響曲です。

5つの楽章から成り立っていて、どの楽章もマーラーらしいオーケストラの機能全開で、フルに活用した交響曲です。

音楽の3要素メロディー、リズム、ハーモニーを、マーラーの高い作曲技術を駆使して、その3要素が何足るかを教えてくれる交響曲です。

例によってこの交響曲の詳細は、割愛します。
ネットや書籍で確認して下さい。

今日聴いたのはロリン・マゼールとウィーン・フィルが、1982年~1989年に録音した全集からの1枚です。

ここでのマゼールは、自身が前面に出て自己主張の強いバリバリ振る指揮するアメリカやイギリスのオーケストラの時と明らかに違ってます。

自分自身の主張を抑制し、マーラーの書いた音楽の流れに逆らわず(幾分、テンポを動かしていますが)、マーラーの書いた楽譜の意味を噛み締めるように自然体で、指揮しています。
何も足さない、何も引かないのように。

そんな指揮を出来るのも、マーラー所縁のウィーン・フィルだからです。
マゼールの意図するマーラー像を完璧に具現化するため、彼の望むような音色、響きをウィーン・フィルの持つ高い演奏技術、演奏能力でもって応えています。

後に、フィルハーモニア管弦楽団ともマーラーの交響曲全集を録音をしていますが、僕はウィーン・フィルとの録音の方を愛聴しています(特に、ウィーン・フィルのチェロの音色が大好きです)。


機会があったら、聴いてみて下さい。