年の瀬に、ヴェルディの歌劇『アイーダ』を聴きました。

今回聴いた演奏者は、以下の通りです。
歌手と配役は、下記の通り。
カーティア・リッチャレッリ(S:アイーダ)
 プラシド・ドミンゴ(T:ラダメス) 
エレーナ・オブラスツォワ(A:アムネリス)
 レオ・ヌッチ(Br:アモナスロ)
ニコライ・ギャウロフ(Bs:ランフィス) 
ルッジェーロ・ライモンディ(Bs:エジプト王) 
ルチア・ヴァレンティーニ-テッラーニ(MS:巫女) ピエロ・デ パルマ(T:使者) 他

そして、クラウディオ・アッバード指揮するミラノ・スカラ座管弦楽団とミラノ・スカラ座合唱団です。1981年から1982年に録音された演奏です。

ヴェルディの歌劇を代表する歌劇であると共に、イタリア歌劇をも代表する傑作歌劇です。

2つの国に引裂かれた男女の悲恋を描き、現代でも世界中で最も演奏される機会が多い、人気の高いオペラの1つです。
この歌劇の第2幕第2場での「凱旋行進曲」の旋律は単独でも演奏される程、有名で学校の音楽の授業の音楽鑑賞で聴く機会があったと思います。

この歌劇の詳しいことは、ネットや書籍で確認されたい。

アバドは、何度か『アイーダ』を録音(正規の録音では、ありますが)を録音しています。
僕は、この録音でしか『アイーダ』を知らないです。確か、1972年のミュンヘン・オリンピック際のミラノ・スカラ座の引っ越し公演が行われ、その時に『アイーダ』が演奏されライブ録音されてます。
この時の演奏は、ミラノ・スカラ座のオーケストラが生々しくうねり、ミラノ・スカラ座の圧巻の合唱と歌手が絶唱する、アバド入魂の凄い演奏だったようです。

この録音は、それから10年余り経っての再録音で、それからするとアバドの演奏はずっと大人しくなり余り面白いとは言えないようです。

その録音を聴いていない僕からすると、初めてのアバドの『アイーダ』を聴くことになります。

アバドの指揮は、楽譜を読み込み、いつもの冷静沈着で細部まで神経を張り巡らしヴェルディの書いた音楽の醍醐味を十分伝えてくれてます。

ミラノ・スカラ座の管弦楽団、合唱もアバドの指揮に反応し、持てる力を存分に発揮しヴェルディ並びに『アイーダ』の魅力を教えてくれます。

そして、この録音に参加したきら星のように輝く魅力たっぷりの歌手の豪華さに感服します。
まさに、美声のデパート。その歌声にうっとりと酔いしれ、魅了されすっかり夢心地となってしまいます。

僕の大好きなソプラノの1人のリッチャレッリ、大好きなメゾ・ソプラノのオブラスツォワの歌唱が聴けるのが、何とも嬉しい限りです。

そして、男性陣特に低音域を受け持つ歌手の豪華なこと。
ギャウロフ、ヌッチ、ライモンディ、パルマとヴェルディの歌劇では、欠かせない低音域の名演歌手たち。腹の底に響き渡る低音と美声に魅了されます。それに、テノールのドミンゴ。
まるで、暮れの京都南座の顔見世を観るような感じです。

1972年の録音は聴いてませんが、今回聴いた録音でもしっかり歌劇『アイーダ』を存分に満喫し、楽しめました。

聴くことをお薦めします。