それぞれが「人」 | ワクワクゲラゲラときどき涙

ワクワクゲラゲラときどき涙

キラキラワクワクゲラゲラと過ごしたいけど、たまに涙することもある日常。出来事や出逢いを素直に受け止め、心を磨きたいと思っています。


私の母はこれまで

病院や介護施設を点々としてきた。


昨年お世話になった総合病院では

口の中がただれてしまい、

食事の時に口を開けなくなった。

痛くて食べたくなかったのだろう。


それでも食事は取らなければならない。


食べ物がダダ漏れの状態のまま

事務的にドンドン口に詰め込まれていく。

食後に様子を見にいくと、

目に涙をいっぱい溜めていた。



そんなある日。

母の配膳台にペンチが置いてあるのを見つけた。

工具箱から出してきた様な先が細いペンチ。

食事の場面でペンチって

不安がよぎったが、

食べさせてくれた看護師さんに

何も聞くことが出来なかった。



またある時は、

介護士さんがオムツを替えようとした時、

ドアを閉めたり、カーテンを引くこともなく、

パジャマをめくっていた事があった。

部屋に入りかけて慌てて廊下に出たが、

終わった後、母が涙を流していたのを見て、

母の自尊心が深く傷ついたんだと

胸が締め付けられる想いだった。




お世話になっているから。

してもらっているから。



その想いが私の口をつぐませた。




介護をする側も人であれば、

介護をされる側も人。

そして、

介護する人にも親御さんがいらっしゃる。



言葉を発することも

動くことも出来ないので、

ただただ耐えたのだろう。


口を開けなかったこと、

涙を流したことは、

母の小さな抵抗だったのだ。

そのサインを私は

看護師さんや介護士さんに遠慮して、

見て見ぬ振りしてしまった。



介護のお仕事はとても過酷で

本当に大変だと思う。

オムツを変えたり、お風呂に入れたり、

抱えたり、トイレに付き添ったり。

いつもいつも頭が下がる想いだった。



なのに、心の中はどこか

悲しい気持ちでいっぱいだった。




それからしばらくして、

今の病院へ転院してきた。


介護士さんのお誘いで、

夕食の様子を見学させてもらった。


自分で食べれない方も多く、

あちこち動き回ってお世話をする

看護師や介護士の皆さん。


話しかけたり、冗談を言って笑い合ったり。

その食堂は穏やかで笑顔が溢れていた。


母に付き添って下さった

男性介護士さんもまた、

眠そうな母に声をかけながら

丁寧に食べさせてくれた。




前の病院の看護師さんは

話しかけ辛かったけど、

今の病院の看護師さんは

笑顔で母の様子を話して下さる。

又、介護士さんはハードなお仕事なのに、

明るくお世話をして下さる。



この状況が当たり前ではない

と分かっているからこそ、

その温かい対応が余計に心に染みて、

ただただ感謝の気持ちでいっぱいになった。



いつも本当に有難うございます。

心から感謝しています。そして、

心から尊敬いたします。



病院側と患者さんとその家族。

それぞれが心地の良い関係である事を

心から願っています。



通勤途中の公園で撮った一枚。

青空と桜と緑。

それぞれがイキイキしていて

清々しい気持ちになった。



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