レクリエーション | 幸せとは何ぞや

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日頃のことを呟く雑記ブログです。

 

今回は精神科でのレクリエーションのことについて書いていきたいと思います。

 

 

レクリエーションに関しては、OT(作業療法士)が曜日ごとに毎月スケジュールを組み、

病棟のスタッフはそれを元に患者様の誘導・見守りを中心に動いていました。

 

月曜日 AM 少人数グループ活動 PM 工作クラブ

火曜日 AM 菜園/中庭クラブ PM 集団レクリエーション

水曜日 AM SST(ソーシャル・スキル・トレーニング) PM 買い物クラブ

木曜日 AM 創作クラブ PM 喫茶クラブ

金曜日 AM 集団レクリエーション PM 工作クラブ

土曜日 AM 外来OT

 

上記のように予定が組まれており、レクリエーションによって対象となる患者様を誘導します。

 

私が一番苦手だったのは、SSTでした。

 

SST(ソーシャルスキルズトレーニング)=社会生活技能訓練とは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の医学部精神科教授のロバート・ポール・リバーマンが考案した心理社会的療法。 社会で人と関わるときに生じる挨拶、人に何かをお願いしたり断ったりするなどのコミュニケーションはもちろんのこと、毎日歯を磨く、決まった時間に薬を飲むなどの日常生活を営む上での生活スキルもテーマとして扱うことがあります。

 

例えば、参加している患者様から現在悩んでいることなどを聞き、それを解決する為にはどうすればいいかを参加者全員で考え、

シュミレーションまでを行います。

 

「同室の患者さんがラジオをよく聞いているけれど、その音が大きくてうるさい。イヤホンをするかもう少し音量を下げてほしい」

といったような悩みが挙がったとしたら、その悩みに対してどうしたら良いかを話し合います。

 

「その患者さんに直接注意する」という意見が出たとして、さらに「どういった言い方をすれば良いか」までを話し合い、

意見がまとまったら「ラジオを聞いている患者さん」「それを注意し、説得する患者さん」と役割をそれぞれ分け、

実際と同じような状況を作りシュミレーションを行うのです。

 

そのシュミレーションが演技をするので少し苦手でしたが、やはり、患者様の中には何十年もほぼ病院での生活という方もいらっしゃるので、私たちが当たり前にしていることでも知らなかったり、どう対処すれば良いかが分からないということもあるので必要な活動ではあると思います。

退院を目標に生活上必要な場面のシュミレーションを行うこともあります。

 

 

 

実際に買い物クラブなどで、病院近くのスーパーなどに特定の患者様と行ったりしていたのですが、

1人の患者様が「喉が渇いた」と訴えてきたので「そこに自動販売機があるので、何か買いますか?」と促したのですが、

自動販売機の使い方が分からない、そもそも本当にこのボタン押しただけでジュースは出てくるのか、おつりは出るのか

と悩まれ購入には至りませんでした。

 

私たちにとっては当たり前でも、患者様にはそうではないんだと改めて考えた出来事でした。

 

 

 

また、レクリエーションに参加した中で私にとって忘れられない出来事が、患者様の離院です。

 

「中庭クラブ」でそれは起こりました。

名前の通り、病院の敷地内にある中庭で季節ごとの花を植えたり、草抜き、水やりなどを行います。

患者様は体力的・年齢的に「菜園クラブ」の参加までは難しい方や「菜園クラブ」に参加していたがそれが難しくなった方、軽介助が必要だったり認知症などの患者様を対象にしている作業療法なのですが、その日は新規の患者様が参加される日でした。

 

その患者様は参加前からトイレに籠り拒否を示されていたのですが、受け持ちの看護師が間に入り、何とか参加することは出来ました。

 

しかし、開始早々から「トイレに行きたい」等の訴えが多く、私は他にも参加している患者様も見守らないといけない為「さっき行きましたよ」と

何とか宥めていたのですが、気付いたら姿がなくなっていました。

 

私以外にも他に3人のスタッフがいたのですが、誰も気付いておらず、いついなくなったのかも分かりません。

 

 

するとすぐに病棟から「〇〇さーん!」と私の名前を呼んでいる声が聞こえてきました。

 

「〇〇さん(患者様の名前)、病棟に帰ってきたけど…」と。

 

姿のなくなっていた患者様は病棟に一人で帰っていたのです。

病院外でなかったことは不幸中の幸いでしたが、インシデントを提出することにはなりました。

今思い返しても、苦い思い出です。