当時、巻き心地って何だろう?と考えてました
リールに巻き心地もヘッタクレも無いだろうよ、と
そんな要求いる?
居るとしたらとんでもない怪魚や世界記録を狙ってる人くらいでしょう?
「とにかく頑丈で、根に潜られても根ごと引き離せるようなリールじゃないとダメなんだ」
「ルアーが200グラムあるから抵抗で負けてしまう」
そんな世界なら話は別です
しかし、バス用リールの世界ではそんなリールはごく一部でしか必要ないと思います
アメリカ人が巻き心地気にしてアブのオールドタックルを使いますか?
日本人は工業技術もノウハウも持ってます
ちょっとした釣り人側の要求もメーカー側が可能にしてしまう
しばらく待っているだけで、とても良いリールが販売されます
軽くて頑丈でコンパクトで手に馴染み、巻き心地も良くて、巻いているだけで魚の繊細なついばみバイトにも気付けてやりとりも楽
そんな完璧なリールが待っていれば発売されるかもしれません
昔の話をしましょう
20〜25年ほど前のダイワのベイトリールはアルミのハンドルが変な部分で曲がったり折れたりしました
よく釣って50オーバーとのやりとりしか想定してませんでしたから仕方ありませんよね
あと釣り人側も無理できると勘違いしてリールに無理をさせてましたね
こんな言葉を耳にします
「とにかく軽い力で巻けるほうが強い魚とのやり取りが楽だろう?」
GTとか記録級のマグロとかでも狙ってるんですかね
でも巻き心地と軽い力でリールが巻けるのとはまた違います
巻き心地???
偉く曖昧な表現だなぁ…
個人の感想でしかない…
思うにある程度のリールであればギアの精度の問題で巻き心地は良くなるとは思うんです
ギアの素材によってはザラ付きを感じる
それは単に表現として間違ってはないと思うんです
金属摩擦によるギア同士の離れる際に起こりうるギアノイズ
釣り人側もそこまで鈍感ではないと思いますので感じ取れて正解なのです
前にこの記事を書いた当時と違い、ギアの山を細かくすることでギアノイズを取り除いた製品が多数出てきました
ギア同士の接地面が少ないため、ギアノイズが少ないことが特徴ですが、過負荷の状態でギアが逃げる状況になるとそのメリットは機能しなくなります
ボディ精度を上げればギアの逃げの問題は解決しますが、ギアに高過負荷が集中するため、接地面の少ないギアが欠けてしまい、ゴロ付き感が発生する懸念があります
スイスの高級時計メーカーはこの過負荷を特定の歯車に逃すことで、沢山の歯車の保護をしています
日常生活で起こりうるねじれや気圧や温度変化による金属の伸び縮み、そういうのを全て考慮した上で時計は作られてきました
ではリールではどうか?
アブは時計の技術を元に作られたという逸話が残ってます
アブのオールドリールはとにかく頑丈で壊れない、重たくて大きいけれどそれでも多くの釣り人を魅了し、愛されて止まないリールを数多く生み出し続けてきました
アブが日本人向けにリールを開発したのは今江さんからの影響で日本市場向けにSMシリーズを発表したのが初めてだったと記憶しています
日本のバスアングラーがリールに求めるものってなんでしょう?
飛距離?繊細さ?頑丈さ?扱いやすさ?トラブルレス?
求めるものの先に釣り人側の退化が存在するのであれば私はそんなもの必要ありません
DCリールやダイワのSVスプールの扱いに慣れた人には19アンタレスは扱いづらいものになっていると思います
人というのはモノが進化していく過程で怠惰になり、衰退していくものだと思います
リールが進化してきている中で自分の目を曇らせないことが、今これからの新しい釣り人のカタチなのだろうと思います
結局、元の形に落ち着くのが人というものなのです