株価が大きく下がってニュースが悪材料だらけになると、怖くて手が出せなくなってしまうものですよね。逆に、周りが儲かっていると聞いて慌てて飛びついたら、見事な高値掴みになってしまったという苦い経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
投資を長く続けていると、どうしても世間の空気感や自分自身の感情に大きく振り回されてしまいます。実は、そんな相場の心理状態や波のサイクルを見事に表現した、ウォール街に伝わる非常に有名な格言があります。
それが、「強気相場は絶望の中で生まれ、懐疑とともに育ち、楽観により熟し、陶酔のうちに終わる」という言葉です。
この言葉の奥深さを知るだけで、今この瞬間に市場がどの段階にいるのかを冷静に見極められるようになります。
まず最初の段階は、経済ショックや大暴落が起きてニュースが暗い話題ばかりになり、市場全体が絶望感に包まれる時です。
しかし、相場の世界では最悪のニュースが出揃った時こそが株価の底、つまり絶望のピークになります。
大衆が恐怖に駆られて売り払っている裏で、経験豊富な投資家たちがひそかに買い集めることで、新しい上昇相場が静かに産声を上げるのです。
そこから株価が上がり始めても、世間はまだ「どうせ一時的な反発だろう」と半信半疑の懐疑的な目で見ています。誰もが警戒してなかなか買えないそんな不安の壁を登りながら、相場は着実に値を切り上げていきます。
やがて業績の回復や明るい話題が目立つようになると、景気への楽観的な雰囲気が市場全体を包み込みます。
ここでようやく多くの人が安心して買いに参加し、上昇相場は大きく成長してピークへと向かっていくのです。
そして最後は、テレビや日常会話でも投資の話題で持ちきりになり、「誰でも簡単に儲かる」という浮かれた高揚感が最高潮に達する陶酔の時を迎えます。
しかし、誰もが強気を信じてリスクを忘れたこの瞬間こそが、相場の天井であり終わりの合図にほかなりません。
私たちが日々の値動きに一喜一憂しそうになった時は、一度立ち止まって今の市場がどのフェーズにいるのかを客観的に見つめ直すことが大切です。
世間の恐怖や欲望という感情から少し距離を置くだけで、無用な高値掴みやパニック売りを防ぐ大きなブレーキになります。
先人たちが残してくれたこうした知恵をそっと心の隅に置いておけば、激しい値動きの波にも穏やかに対処できるようになります。
皆様は最近の株式市場の空気感を、どのようなお気持ちで眺めていらっしゃいますでしょうか。
相場の大きな波に飲み込まれることなく、ご自身のペースで健やかな資産運用を続けていきたいものですね。
