レンブラントとその時代の金融システム7 | 旅行、美術館、書評

レンブラントとその時代の金融システム7


レンブラントとその時代の金融システム7

テーマ:レンブラントとその時代
シャルルからカール5世7


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戦争に明け暮れたカール5世は早期に引退を決意する。
両親から受け継いだスペイン関係の地位と領土はAbdication of Charles V
息子のフェリペ2世
・上図の右下、右図の右側

祖父から受け継いだ神聖ローマ帝国関係の地位と領土は
弟のフェルディナント1世
・右図の左側(オランダ、イタリアの旗などが描かれている)
                     この作品の詳細はこちら
それぞれ分け与えた。

スペイン領ネーデルランド
さらにフェルディナント1世 *1(上段右) の
次の皇帝が息子のマクシミリアン2世 *2(上段中央)
その息子が次の皇帝で錬金術師を集めたルドルフ2世  

 プラハ城の一角の「黄金小路」は錬金術師達が
 暮らしていたとかで、独特の雰囲気があった。

2歳のイサベル(下段右)はルドルフ2世(上段左)と婚約。
奇人ルドルフに待たされ、結局、
30歳をすぎたイサベル は、従兄にあたるアルブレヒト *4
(下段左)と結婚

イサベルの父、フェリペ2世  (一番上の図の右下)は
スペイン領ネーデルラント の統治を娘とその夫に任せると
遺言していた。

Fishing for Souls
 



「レンブラントとその時代」の代表的な作品でこの川の右側がイサベルアルブレヒト 率いるカトリック。
左側がプロテスタント。 右側の後ろの樹木は枯れているのに対して、左側は青々としている。

「私に従ってきなさい。君を人間をとる漁師にしてあげよう」(マルコ1・17) あるいは
ルターが生涯忘れることのできないという祭壇画が関係しているようです。 *5
                                                    この作品の詳細はこちら
はじめは右側の船は網を投げているだけで、溺れかけている人々は描かれていなかった
そうですが、後から描き加えたとか。 これはブリューゲルの作品などを鑑賞する立場からすると、
かなりの反則?

左側のプロテスタントの船は聖書で魂を救済しているようです。

この作品は日本語の音声ガイドを聞きながら鑑賞した記憶があるのですが、どうも当時は
あまりよくこの作品の内容を理解できておりませんでした。




参考 Wikipedia より
*1
兄カールとの生前の取り決めでは、フェルディナントの次はカールの息子フェリペ(スペイン王フェリペ2世 )が帝位を継承し、以後カールとフェルディナントの家系が交互に継承することになっていたが、これは無視されて次の皇帝にはフェルディナントの息子マクシミリアン2世 が即位した。スペイン・ハプスブルク家もこれを容認したため、以後もフェルディナントの家系、オーストリア・ハプスブルク家が帝位を世襲していくことになる。

*2

マクシミリアン2世は宗教改革 における争いでルター派 に共感を抱いていたが、父フェルディナント1世が廃嫡を仄めかしてそれを禁じたため、カトリック に留まり、プロテスタント 派の諸侯 を失望させた。

皇帝になった後、マクシミリアン2世はプロテスタント派に宗教の自由を認め、同時にカトリックを改革しようとしたが、スペイン の反対により失敗した。


*3

幼少時をスペイン の宮廷で過ごしたため、イエズス会 の影響を受けて厳格なカトリック 教徒となった。


このように政治的には無能だったルドルフ2世であるが、教養に富んでいたことから文化人としては優れていた。ルドルフ2世が芸術や学問を保護した結果、その下にはルーラント・サーフェリー をはじめとする欧州 における多数の芸術家が集まり、帝国首都のプラハ は文化的に大いなる繁栄を遂げたのである。ルドルフ2世自身は、特に錬金術 に大いなる興味を示しており、実際に多くの錬金術師のパトロンとなっていた。


*4

彼はトレド 大司教であったため、ローマ教皇 クレメンス8世 に還俗の許可を得てからの結婚となった。その1年前に亡くなったフェリペは、スペイン領ネーデルラント の統治を娘イサベルとその夫に任せると遺言していた。1601年から、2人は共同統治者としてネーデルラントを治めた。夫の死後はイサベルが総督となった。2人が治めていた時代は、ネーデルラントの黄金時代 と呼ばれた。さかのぼること40年近く続いた戦争が沈静化し、南ネーデルラントの経済が平和を安定化の方向に導いた。2人は多くの芸術家のパトロンとなり、フランドルバロック 文化の花咲く要因となった。


*5 http://www5c.biglobe.ne.jp/~paruwees/Histoly_92_95.html

ルターが述べる、マグデブルクでの学生時代に、生涯忘れることのできない
      印象を受けたものの 1つとして、教会の祭壇背後の絵のことがあります。
      それは天国へと漕ぎ行く船であるが、乗っているのは枢機卿と司教を率いた教皇と
      櫓をとる司祭・僧侶ばかりで、船には俗人は 1人も乗っておらず
      水中を泳いで、中には溺れかかっている者もいる。
      そして船から彼らを救おうと、僧侶たちが綱を投げかけている。