君のためなら千回でも/「七人の侍」 | 旅行、美術館、書評

君のためなら千回でも/「七人の侍」

先日、「君のためなら千回でも」 を読んでいて
アフガにス タン人と日本人はどこか似たようなところがあるように感じます
と書きましたが、

 を読み返していて、この本の著者は以下のように表現していました。

 アフガニスタンは、日本人にはなじみの薄い「イスラム教」の国で、しかも「テロリストをかくまう国」
 「狂信的なイスラム原理主義の国」というイメージをもたれているが、実際にいってみると、
 彼らなりの価値観に基づいた正義感があり、黒澤明の「七人の侍」にでてくるような人々が
 いることがわかった。

また、この著者は実際にアフガニスタンで取材を行っていますが、同じモンゴル系であるので
「日本人が地元の人と同じ格好をするとハザラ人と間違われるので、危険だ」と指摘しています。

パシュトゥーン人を中心とするタリバンがハザラ人を虐殺したことは「君のためなら千回でも」 
でも触れられていますが、 タリバンに破壊された大仏があるバーミヤン とともに
シャリゴルゴラ という廃墟があります。 ここには13世紀にチンギス・ハーンが住民を一人残らず
虐殺した過去があり、ハザラ人はそのチンギス・ハーンらモンゴル系の末裔とされています。

「君のためなら千回でも」でも少しだけチンギス・ハーンが登場していました。

   学校にイスラムのことを教える先生(ムッラー)がいた。名前はファトラー・ハーン。
    ・・・ ある日、先生は、イスラム教では飲酒は恐ろしい罪とみなしている...
   当時カブールでは、飲酒はありふれた習慣だった。
    ・・・
   「あいつらのは祈りの数珠を親指で操って、わかりもしない言葉で書いてある本を
    朗唱するしか能がない」 
                               ババはウィスキーをひとくち啜った。

   「アフガニスタンがやつらの手に落ちるようなことがあったら、神が救ってくれるさ」

   「でもファトラー・ハーン先生はいい人みたいだよ」
                             わたしはくすくす笑いながらそういった。
   「ジンギス・ハーンも最初はそうだった」                 ババはいった。


[ 関連 ]

* 破壊前の大仏とチンギス・ハーンが徹底的に破壊したシャリ・ゴルゴーラの映像は
NHK 制作の「未来への遺産」が Gyao でみることができます。
http://www.gyao.jp/sityou/catedetail/contents_id/cnt0031349/

* 背景がわかっていないと問題です。
アフガニスタンが舞台の問題作で、少年たちが国外避難(シネマトゥデイ)