竹田人造「AI法廷の弁護士」 | 行雲流水的くっぞこ

竹田人造「AI法廷の弁護士」

 近未来の日本を舞台にした法廷ミステリの連作短編集です。

 竹田人造「AI法廷の弁護士」

 

 竹田人造さんは、1990年東京生まれ。2020年デビュー。

 

 裁判の件数が増えて対処が難しくなったため、人間の裁判官をやめ、全ての裁判官をAIに変えた、ごく近未来の日本が舞台です。

 

 主人公は、弁護士の機島雄弁(きしま・ゆうべん)

 AI裁判官の印象を良くするために、自分の顔や体を整形し、服装、表情、しゃべり方などなど、全てを研究して、それだけでなくAIの盲点やバグなどをむりやり突いて、犯罪スレスレに勝訴を勝ち取る無敗の弁護士。それだけに世間の評判は悪い(笑)

 

 法廷ミステリなんですけど、とてもドラマチックで派手な展開になっています。

 解説でふれられていますが、この小説に影響を与えた作品として、ドラマの「リーガルハイ」、テレビゲームの「逆転裁判」、SF小説の宮内悠介「スペース金融道」だそう。

 「逆転裁判」は好きな探偵モノのゲームですが、ああいう「異議あり!」の声が飛び交うような派手な小説となっています。

 AIを相手にしたミステリだけに、その方面の専門用語がよく登場します。私はそう言う方面はあまり詳しくないので、そういう用語があまりよく分からなかった事を差し引いても…(笑)…面白い!

 

 最初はそういう軽めのオハナシだったのが、だんだんシリアスなオハナシになっていって、読み応えもあって面白かった~