鮎川哲也「幻の探偵作家を求めて(完全版)」
私が大学に通っていた1990年代、大学の近くに行きつけの古本屋さんが何軒かあって、学校帰りによく寄ってました。一軒の古本屋さんの棚に1970年代に発刊されていた探偵小説雑誌「幻影城」が並んでいたのでチョコチョコ買っていました。
「幻影城」は新作も載っているんですけど、大正・昭和初期・戦後などの旧作の再録やその当時の特集も大きな柱となっていた探偵小説雑誌でした。その「幻影城」に連載されていたのがこの「幻の探偵作家を求めて」。
鮎川哲也「幻の探偵作家を求めて(完全版)」
鮎川哲也さんは1919年東京生まれ。小学3年の時に満州・大連に転居し少年時代を過ごす。1948年探偵作家デビュー。1960年日本探偵作家クラブ賞受賞。2002年ご逝去。享年82歳。
鮎川さんと「幻影城」島崎編集長のコンビが、「幻の探偵作家」を訪ねる珍道中記。
「幻の探偵作家」とは、数作の探偵小説だけ執筆して筆を折った、戦前から昭和30年代くらいまでに活動していた探偵作家の事。
活動時期がかなり昔ですし、マイナーな作家さんなので連絡先が分からないわけです。その消息を探して、ご本人、またはお亡くなりになられたならご家族へインタビューするというエッセイ。
古本屋さんの棚にあった「幻影城」を手に入れて読んでいただけで全部読んでないですし、単行本としてまとめられているらしいという事は知っていたんですが、読んだ事は無く、まとめて読んだのはこの(完全版)が初めてでした。
いやあ~面白い!
探偵小説のアンソロジーなどで1作だけ読んだ事がある作家さんとか、名前は聞いた事がある、または名前も知らない(汗)という作家さんも(笑)
論創社という出版社から「論創ミステリー叢書」という、戦前~昭和30年代くらいまでに活躍した、ちょっとマイナーな探偵作家の作品集を出していて、100冊以上出ています。この「幻の探偵作家を求めて(完全版)」もそのシリーズからの復刻なんですね。
そのシリーズで発刊されている作家さんに興味が出てきますね。実際に何冊か買いました(まんまと? 笑)
実は、付録として、上巻下巻それぞれに、鮎川さんが編纂されたアンソロジーに付けられた鮎川さんの解説文が、もうこれでもか!と言うくらいの分量が収録してあります(笑)「幻の探偵作家を求めて」本文と同じくらいの分量(笑)
もう付録と言えない分量というか、どっちが本体なのか付録なのか分からないくらいです(笑)
鮎川さんが編纂された探偵小説のアンソロジーは何冊か持っているので、既読のものもありますけど、これも楽しい。
下巻の巻末に、推理小説評論家の新保博久さんによる探偵作家の索引が載っていてこれが便利!「幻の探偵作家を求めて」本文だけでなく、付録のアンソロジー解説文までフォローされていて引いているだけで楽しい(子供の頃から大百科とか辞典とか好きだったので 笑)