円居挽「逆転裁判 時間旅行者の逆転」
探偵モノの人気テレビゲーム「逆転裁判」が2017年で15周年を迎えました。弁護士が主人公の、裁判を題材にしたアドベンチャーゲームです。
この本は、「逆転裁判」シリーズ15周年を記念して、ミステリー作家の円居挽(まどい・ばん)さんによる逆転裁判の設定と登場人物を使った新作ミステリー小説です。
円居挽「逆転裁判 時間旅行者の逆転」
円居挽(まどい・ばん)さんは1983年奈良生まれ。2008年デビュー。
ゲームの「逆転裁判」は、派生作も含めると10作以上発売されている人気シリーズ。私も全部は遊んでいないですが、好きなゲームです。
特に1作目は今までの探偵アドベンチャーゲームにはない新しさで、衝撃的なゲームでしたね!
「逆転裁判」シリーズは、頼りない新人弁護士のナルホド君こと成歩堂龍一(なるほどう・りゅういち)が、主人公のゲーム。無実の罪の嫌疑をかけられた被告人を、絶体絶命の状況から逆転無罪に持ち込む、というお話なんですね。しかも、ゲームならではの奇想天外なお話で。
弁護士の助手は、マヨイちゃんこと、見習い霊媒師の少女、綾里真宵(あやさと・まよい)。ミステリ作品なのに霊媒師が登場するんですよ(笑)
この小説でもそういう設定は守られています。
奇想天外さで言えば、この小説はタイムトラベル(!)を題材としたミステリ! しかも被告人はタイムトラベラーだと主張している事件なんです。
2001年、大学院生の尾根紡優子(おねぼう・ゆうこ)は、大学でタイムマシンの研究をやりたかったのだが、そのことで教授と衝突してしまい大学を去ることに。大学内を気落ちして歩いていると、怪しい男が突然現れる。
「2016年からタイムトリップしてきた。タイムマシンが壊れたので修理を手伝ってほしい」。
渡りに船と、優子は修理を手伝う事に。そこで殺人事件に巻き込まれてしまう。
優子は殺人の嫌疑で裁判を受ける事に。しかし裁判中、優子は行方不明になり、15年後の2016年、ナルホド君とマヨイちゃんの前に呆然自失の状態で現れる。優子はその時代でも殺人事件に巻き込まれてしまう。
この小説では「逆転裁判」1作目、しかも、弁護士になりたてのナルホド君とマヨイちゃんのコンビが、初めての裁判を経験した直後のお話となっています。
円居挽さんのミステリ小説は今まで読んだ事あるし、安心はしていたんですけど、さすがに読む前は、テレビゲームの小説化ですから、心の中で少しナメていたのは仕方ないですよね(そういうの、ありますよね 笑) でもやっぱり読み始めると面白いです。
「逆転裁判」というゲームを知らない人も楽しめるんじゃないですかね~
確かに、ぶっ飛んでいるというか(笑)、ミステリ小説なのに、タイムマシンだの~パラレルワールドだの~、まるでSFか? という雰囲気なんですけどね。