平山夢明「顳顬(こめかみ)草紙 串刺し」 | 行雲流水的くっぞこ

平山夢明「顳顬(こめかみ)草紙 串刺し」

 暑いですね~私の所だと20日連続で猛暑日らしいです。暑いという事で怪談を(笑)

 平山夢明「顳顬(こめかみ)草紙 串刺し」


 平山夢明さんは昭和36(1961)年生まれ。2006年に日本推理作家協会賞受賞。


 平山さんは、小説以外にもたくさん実話怪談の本を出しておられますけど、この「こめかみ草紙」は、実話怪談本ではあるんですが、収録された話はどれも、分かりやすく幽霊が登場する話ではないんです。一言で言うと「不思議な話」(笑)

 きっちり幽霊が登場するという怖い話ではないので、ジワジワと色々な妄想がムクムク広がっていく感じの、怖いというより気持ち悪い、ゾッとする話といえばいいんでしょうかね~

 例えば疑い深い人がこれらの話を聞いたなら、思い込みが激しいんじゃない?とか、勘違いしてるだけなんじゃないの?とか思われそうな。昔なら狐とかタヌキに化かされたとか言い出しそうな(笑)


 この中で一番印象に残ってるのは「嫌な本」というお話ですかね~

 長い間探していた文庫本を、古本屋のワゴンセールの3冊100円の棚で見つける。しかし安いだけに前の持ち主による色々な書き込みがある本だった。書き込みを気にせずに読み進めていったのだが…

 …という話で、本が好きで、新刊本だけでなく古本屋やネット通販で古本も買う私としては、本当に嫌な話です!(笑)