のむらしんぼ「コロコロ創刊伝説・第1巻」、巻来功士「連載終了!」 | 行雲流水的くっぞこ

のむらしんぼ「コロコロ創刊伝説・第1巻」、巻来功士「連載終了!」

 最近出た、漫画家人生を振り返った自伝漫画を2冊手に入れて来ました。

 のむらしんぼ「コロコロ創刊伝説.・第1巻」と、巻来功士「連載終了!」です。のむら先生は昭和30年生まれ、巻来先生は昭和33年生まれと、同世代の漫画家さんで両方とも面白い!


 まず、のむらしんぼ「コロコロ創刊伝説」第1巻。

 これはコロコロコミックの歴史と、のむら先生の漫画家人生を振り返った漫画。

 コロコロコミックは昭和52年創刊の子供向け漫画誌。のむら先生は昭和54年コロコロ誌でデビュー以来、今に至るまでコロコロ誌を中心に作品を発表されてきました。「とどろけ!一番」「つるピカハゲ丸」は有名なヒット作ですね~


 この1巻では、コロコロコミック創刊、昭和53年に、のむら先生がコロコロ編集部の平山さんの誘いでコロコロコミックを手伝うところから、昭和55年「とどろけ!一番」がヒット、のむら先生が結婚するまでが収められています。

 特別付録として、他誌に掲載された、のむら先生の師匠である弘兼憲史先生(「島耕作」シリーズで有名な)のアシスタント時代のエピソードの漫画も収録されています。


 印象的な話ばかりですけど、一番印象に残ったのは、漫画家デビュー直後、のむら先生がコロコロコミックの新年会に初めて行ったとき、新年会に参加されていた藤子F不二雄先生にアドバイスをもらうシーンですかね~


 次は巻来功士「連載終了!」

 巻来先生は昭和56年デビュー。

 この漫画は書き下ろし作品ですが、大学時代に色々な雑誌に応募するところから、雑誌デビュー、少年漫画誌から青年漫画誌へ活動を移すところまでが描かれています。


 印象に残ったのは、編集者の担当者との相性が大事だという事。担当さん次第で漫画の作り方が変わってくるんだな~と。

 少年ジャンプ誌での逸話も描かれています。原哲夫先生が「北斗の拳」を連載開始した時に、巻来先生はアシスタントとして手伝われていたそうなんですが、その時のエピソードは印象深いです。色々と印税のことも描かれていますね~(笑)


 巻末に、少年ジャンプで巻来先生の担当者の1人だった堀江信彦さんと巻来先生との対談が載っていますが、必読ですね。堀江さんは「北斗の拳」や「シティーハンター」を担当されて大ヒット作にされた人です。

 堀江さんがこの「連載終了!」の原稿を読んだ感想と、当時の話を二人で語り合っておられるんですが、本編の漫画での疑問点がちゃんと解説されているんです。思わずひざを打つ感じですね~



 それで、この2冊の自伝漫画ですが、何故一緒に紹介したのか?

 同じ時期に発売された同年代の漫画家の先生ということもありますが、巻来先生の「連載終了!」のなかに、「とどろけ!一番」連載の頃の若いのむら先生と出会ったエピソードが1シーン描かれているんですよ。

 巻来先生がデビュー前、コロコロ編集部を訪れたときに、のむら先生がたまたま編集部におられて、編集者と一緒にご飯を食べに行く~というシーンなんですけどね~