坂木司「切れない糸」 | 行雲流水的くっぞこ

坂木司「切れない糸」

 久々に探偵小説でも。いわゆる「日常の謎」タイプのミステリです。

 坂木司「切れない糸」


 坂木さんは1969年東京生まれ。


 主人公は大学4年の新井和也(あらいかずや)。実家は東京の下町の商店街にある街のクリーニング屋。実家を継ぐ気はなくて、商社に就職希望している。でも卒業間近なのに全く就職が決まらず、悶々としている。そんな中、急に実家を手伝う羽目に。


 新井和也が実家のクリーニング屋を手伝う事になり、なかなか大学へは顔を出せなくなって、急に親しくなったのが、大学でそれほど仲が良いわけでもなく悪いわけでもない、普通の友人だった沢田直之。沢田は、和也の家がある商店街の外れにある喫茶店でアルバイトをしていて、和也は仕事の休憩時間に立ち寄ってはクダを巻いているんですね。

 和也は小学生の頃「街の生物委員」というあだ名があるくらい、困った動物や時にはクラスメートに頼られてしまうんですね。でも特に勉強やスポーツが出来るわけでもなく、ただ頼られやすい(笑) そういう事もあって面倒見が良いんですよね。悪く言えばおせっかい(笑)

 相方の沢田は、いわゆる天才型の探偵役。話を聴いているだけで他人の考えてる事をぱっと分かるタイプの人間。

 困った人に頼られるというか、困った人を見つけては、つい世話を焼いてしまう和也と、そういう話が好きな沢田の2人が、シャーロック・ホームズとワトソン博士役になって事件…「日常の謎」タイプなので事件にはならないですけどね(笑)…を解決していきます。


 クリーニング屋さんのオハナシなので、事件の発端は全てクリーニング絡み。ただミステリーといっても「日常の謎」タイプなので、クリーニングの衣服から殺人事件や汚職事件等に発展することはないです(笑)

 登場人物が基本的に良い人ばかりなので、読んでいて気持ちが良いんですよね。それだけに物足りないという人もいるかもしれませんね~


 本の中では商店街は都会ではないと書いてありますけど、私が住んでいるところは田舎なので、商店街というとやっぱり「繁華街」のイメージなんですよね。


 私の子供の頃~2‐30年くらい前~は住んでる部落にも八百屋や魚屋はありましたけど、商店街じゃなくお客も部落の人だけでした。スーパーや商店街は繁華街にあって、基本買い物はその部落のお店で済ませて、スーパーや商店街へ行くのはお休みの時に、部落のお店で買えないものを買って来るという感覚でした。

 例えば、お菓子屋も部落にありましたけど、置いてあるのは定番のもの(チロルチョコとかマルカワのフーセンガムとかボンタンアメとか)だけで、テレビCMで流れているような新発売のものは置いてないんですよね~そういうものはスーパーや商店街に行く時に買ってもらう感じなんですよ。

 今では部落のお店はほとんど閉店してスーパーばかりですが、私の中での商店街のイメージはそんな感じなんですよね~そう言う事も思い出させてくれる本でした。

 続編が読んでみたい!