安曇潤平「山の霊異記 赤いヤッケの男」 | 行雲流水的くっぞこ

安曇潤平「山の霊異記 赤いヤッケの男」

 節分を過ぎて暦の上ではもう春なんですけど、今が一番寒い時期です。こんな寒い時期に紹介するのは怪談本(笑)

 何でこんな寒い時に…とお思いになる向きもあるでしょうが、冬にピッタリの寒い怪談なんですよ。

 安曇潤平「山の霊異記 赤いヤッケの男」(2008年)


 安曇さんは1958年生まれ。

 怪談は怪談でも、本のコシマキにも書かれているように、山岳怪談…山での怪談を専門に書かれてる作家です。

 安曇さんは山登りがご趣味で、お酒もお好きだそうで、山仲間と集まって居酒屋でワイワイやるのがお好きだそうなんですね。ご自身も心霊体験がよくあるそうなので、そういう飲みの場で登山の話の流れから山での怪談話を語り合うことも多いそうなんです。

 怪談だから夏の登山、とは限らないんですよね(笑) 冬山登山でのそういう怪談も多く収録されています。だから、冬にピッタリなんですよ(笑)


 安曇さんのお書きになる怪談は、聞き書きみたいなスタイルではなくて、物語風な感じのスタイルなんですよ。話によっては幻想小説みたいな話もあったりします。山自体が一種異界のような感じでもありますね~


 これは私に限ったことかもしれませんけど、私は九州の平野で生まれ育ったためか、山とか雪とかに縁がないんですね。しかも登山が趣味という事でも無く、山へ行ったことがあるのは近くの小高い山へハイキングだとか、あとは学校行事で一回山に登ったことがあるとか、その程度なんです。

 だから雪の北アルプス山脈とか八ヶ岳連峰とか、そういう単語だけで、充分に別世界のオハナシになってしまうんですよ(笑) NHKのドキュメンタリー番組で見たことがあるような、そういう白い妄想がアタマの中で展開されていくワケです(笑)


 そういう異界の中で起きてしまう怪異現象のお話ですから、怖いというか面白いんですよね。何があってもおかしくないような、小泉八雲の雪女みたいな…

 怖いけどほっこりするようなオハナシもあって、本当に面白いですね~