高橋葉介「夢幻紳士【迷宮篇】」 | 行雲流水的くっぞこ

高橋葉介「夢幻紳士【迷宮篇】」

 推理小説専門誌「ハヤカワミステリマガジン」で、2004年~2007年にかけて連載されていた”夢幻紳士”3部作の完結篇です。

 高橋葉介「夢幻紳士【迷宮篇】」(2007年)です。


 ”夢幻紳士”シリーズは、30年近く断続的に描き続けられてきた作品です。昭和初期を舞台に、夢幻魔実也を主人公としたシリーズです。長く続いていると言っても、話の時代と、主人公が一緒なだけで、掲載紙や時期によって、話のジャンルも、絵柄も違うんですけどね(笑)。

 このハヤカワミステリマガジン版では、幻想味が増した”妖しい”サイコ・ホラーな”夢幻紳士”です。


 私は、絵に詳しくないので、どうやって描かれてるのは分からないんですけど、この【迷宮篇】の絵は、面白いですよ。まるで、インク切れした、かすれたマジックペンで描かれたような(失礼! 笑)。

 全てをこのタッチだけで描かれているのではなくて、場面場面で絵柄は書き分けられてるんですけどね(ネタバレしそうなので、詳しくは言えませんが 失敬!)


 【迷宮篇】では、前半が特に面白いですね。夢幻魔実也の周りで、次々と連鎖して死んでいく、一見関連の無い人々。

 そして、”ハヤカワミステリマガジン版夢幻紳士”3部作の、前々作【幻想篇】・前作【逢魔篇】と、この【迷宮篇】前半での連鎖していく死の関連性の謎を総括して、それぞれの伏線をガッツリとまとめ上げていく中盤~後半にかけての急な展開。すごいですよ。これまでの話の裏が垣間見えてくるというか、なるほど!と(笑)。


 出来れば、【幻想篇】【逢魔篇】【迷宮篇】と、執筆順された順に読んでもらいたいですね。じゃないと、話の筋がわかりづらいかも…(笑)。私も、【迷宮篇】を一回読んだ後、【幻想篇】から、3作全部読み返しました(笑)。