THE DARK SIDE OF THE MOOG | 行雲流水的くっぞこ

THE DARK SIDE OF THE MOOG

 「ダークサイド・オブ・ザ・ムーン」(”狂気”ピンクフロイド)じゃないですよ! ”ダークサイド・オブ・ザ・ーグ”。MOONじゃなくて、MOOG。(コロシアムⅡにも、同名の曲があったけど。)

 PETE NAMLOOK & KLAUS SCHULZE「THE DARK SIDE OF THE MOOG」(1994年)です。

 このジャケットは、再発盤で、初回盤とは違うんですけどね。


 クラウス・シュルツさんは、ドイツ出身の1970年デビューのミュージシャンです。”タンジェリン・ドリーム”、”アシュ・ラ・テンペル”でドラムを叩いていましたが、ポポル・ヴーのフローリアン・フリッケさんのビッグ・ムーグを買い取って、ソロになってからは、シンセ奏者として、100枚ほどの盤を出している人です。


 ピート・ナムルックさんも、ドイツの人で、アンビエント・テクノ方面で有名です。1992年にFAXという自主レーベルを始めて、今も続けています。この盤は、このFAXから出たものです。

 ナムルックという名前は、本名のペーター・クールマン(PETER KUHLMANN)の読みを、逆にした(KUHLMANN→koolman)らしいです。


 アンビエント・テクノとは、アンビエントなテクノのこと、そのまんまですけど(笑)。

 アンビエントと言えば、ブライアン・イーノさんが、1979年からはじめた”アンビエント・シリーズ(「ミュージック・フォー・エアポーツ」等)”が有名です。聞き流すこともできれば、耳を傾けて聴くことも出来る、という音楽。

 元々は、ドイツのクラスターや、ハルモニアと、ブライアン・イーノさんが共演したのが、始まりですけど。

 簡単にいうと、静かなテクノですね。


 この盤のタイトル、「ダークサイド・オブ・ザ・ムーグ」は、ピンクフロイドのパロディですけど、収録曲(1曲(51分強)しか入ってませんけど)の曲名も、「WISH YOU WERE THERE」。これもフロイドのパロディ(フロイドの方は「WISH YOU WERE HERE」)なんですね。


 シュルツさんがデビューした、ドイツの70年代ロックって、フロイドの影響が大きくて、フロイドに似た音のバンドも多いんですね。シュルツさんがいた”アシュ・ラ・テンペル”も、フロイドの音に似た盤を出してますし。


 曲名を付けるときの、ナムルックさんとシュルツさんの会話が聞こえてくるようです。


ナムルック(以下N):アシュラテンペルの「振動」って、フロイドっぽいよね。

    今度のCDもフロイドっぽくしましょうよ。

シュルツ(以下S):音じゃなくて、タイトルを、フロイドのパロディにしようよ。

N:あー、いいなぁ、シュルツさんといえば、ビッグ・ムーグだから、

    ”ダークサイド・オブ・ザ・ムーグ”なんてどう?

S:いいなぁ、じゃ、曲名は「あなたがここにいて欲しい」のhereに

    ”T”の字を付けただけの”WISH YOU WERE THERE”とか。


 という感じで(笑)。


 音の方は、シュルツさんって、ドラマチックな音を作る人なんですけど、ここでは壮大な感じというより、落ち着いている感じ。でも、ちゃんとシュルツさんの音になってて。”ミラージュ”ぽいかな、なんて。


 その後、この「THE DARK SIDE OF THE MOOG」シリーズは、次々と出ていました(多い時は一年に2枚)が、だんだん断続的となり、2005年に10作目が出て、完結しました。私は、始めのほうの3枚ほどしか、持っていませんけどね。