▲美しい日本の原風景
8月27日
某道の駅で朝を迎えた。
顔を洗って、歯を磨いて、少し離れたコンビニで
オニギリやみそ汁を買って朝飯を済ませる。
本日2日目の昼間は新潟や長野の高標高の地を回って
ヒメオオクワガタ探したり温泉に入る予定だ。
▲川沿いには名も知れぬ滝がいくつもある
昨年から回り回った土地勘の芽生えた新潟県の道をひた走る。
峠道を何本も上ったり下りたり、
福島桧枝岐のヤナギ群を想像して探して
いるのだが、なかなかそんな環境は無い。
途中、濃い緑の山々を下方に見たり、日本海を遠くに見たりと
気分は上々だけれども、一向にヒメオオクワガタの気配はない。
▲遠くに日本海が見える
私の探し方が悪いのだろうか・・・
なかなかヒメオオとの出会いは無い。
私のヒメオオクワ採集成功の県は福島県と岩手県の2県のみ。
遠征の本命はオオクワガタなので、
実力にプラスして、どうしても熱が足りないようで
自己採集例は少ないのである。
▲標高800メートルくらいで見たハナムグリ
昼を過ぎても、成果は無し。
腹が減ったので麓まで降りて食事処を探す。
しかし、町はあっても食事処はなかなか無く
結局はコンビニ飯で済ませる。
気持ちも疲れて来たので温泉地へ。
長野はいろいろな温泉地があるが、
選んだ温泉地は閑散としていた(けっこう有名な温泉だが)。
まっ、8月も下旬になると温泉客も少なくなるのだろう。
1000円を払って日帰り温泉に浸かる。
入浴者は自分1人だけ。
周りに気を遣わずに癒されて気持ちがイイ。
温泉を出る頃には時刻は午後3時を過ぎていた。
「あっ、そういえば、信越に来て神社とか仏閣に挨拶をしていない」
「そんな事に気が付いた」
私のルーティーンの一つとして、採集地に行った時は必ず
どこかに、ご挨拶詣でをするというのがある。
それは、もっちゃんパパと行った八丈島や対馬でも同じ。
マタギが山神様に狩猟のご挨拶をするのと同じ感覚のつもりだ。
宗派に拘りはないので、フィーリングしだい。
明るいうちに新潟側の歴史ある観音堂で旅の無事とクワ豊漁を願った。
辺りはかなり薄暗くなって来た。
8月下旬の山間部。
暗くなるのは早い。
長野側に戻る前に新潟名物「へぎそば」を食べたい。
調べて見ると有名店が近くにあった。
駐車場に車を止めると、次々に来客がある。
かなりの人気だ。
店内は綺麗で店員も礼儀正しくとても好感が持てる。
私は天へぎ(1580円)を注文。
▲新潟名物へぎそばの名店の天へぎ
天ぷらは藻塩を中心に他数種の味付けが楽しめる。
シイタケ天を藻塩で頂く。
「なんだ、この美味しさは・・・」
ころもといい、揚げ方といい、最高~。
一気に幸せな気分に。
へぎそばに使う汁には自分で擦ったゴマを投入。
ズルズル~、こちらものど越し最高。
今まで食べた天そばの類で1、2を争う美味しさだ。
来年、信越採集に来たら、絶対また食べたい。
来年の事を言うと鬼が笑うというが、
笑いたい奴には笑わせておけだ。
それくらい美味しかった♪
こうしてお腹も心も癒された私は昨夜の惨敗を忘れて
夜の長野を目指した。
今まで、岩手はオオクワを採るまでに足かけ10年かかったのだから、
長野もそれくらいかかるかもしれない。
でも、新潟は場所はそれぞれ違うが
3回の遠征で採集に成功しているので
岩手よりはかからない可能性もある。
それに期待したい。
長野県では3市町村を中心にぐるぐる回る計画。
1カ月前の下見である程度の当りはつけてあるので、がむしゃらに
回る必要はない。
とりあえずは、とある施設の外灯から見ていく。
20時17分、石塀に止まるノコギリを発見。
その5分後にひっくり返るコクワ♂。
よしよし、コクワが飛んでるぞ!!
(コクワはオオクワガタと遺伝的に近い種なので、
コクワが飛ぶとオオクワも飛ぶとクワガタマニアの間では言われている)
さて、次は小さなオレンジ灯かある地区。
いるいる、ノコギリの♂♀が次から次に。
▲オレンジ灯に来たノコギリ♀
この地は周りの山が高く、麓はかなり暗いので光に虫が寄りやすいのだろうか。
小さな灯りでもクワガタを呼ぶのである。
「う~ん、でもノコギリばっかだ」
7月には同じ場所で中型のミヤマも採ったんだけれども、
時期的に終わってしまったんだろうか・・・
コクワ、カブトは時々混じる。
LED外灯でもポツポツと拾えるので期待が持てる。
今のところの成果はオレンジ灯6割LED4割といったところだ。
▲灯りの下だけでなく上も見る
時刻は22時を回った。
風が少しひんやりしてきた。
次は下見時にコガネやミヤマを見た工事現場へ。
現場と言っても危険な場所に入るのではない。
道路工事の道路際でよく見る
点滅のチューブライト付近をルッキングする。
その光に虫が来ていたのだ。
道路脇に車を止めて
ライトを手にチューブライト沿いを見ていく。
チューブライトの下はH型鋼になっていて
カブトやノコの乾いた死がいが見られた。
チューブライトは点滅している上にLEDだが虫を寄せているようだ。
10mもライトを当てながら進んだ時だ。
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
「見てはいけないものを見てしまった」
「オオクワガタだ!!」
「長野県産オオクワガタの♀だ!!!!」
しかもデカい。
デカいので一瞬カブ♀に見えた・・・
鬼オーラを放つ、珠玉の虫!!
これは45ミリ以上あるんじゃないだろうか・・・
心が震えた。。。
私は何枚かの写真をデジカメとアイホンで撮影。
今宵も新潟採集をしているセキネさんを筆頭に数人のクワ友に
長野産オオクワの写真を送った。
やった、とにかくやった
長野県産オオクワガタを採ったのである。
下見を含めて2回目で長野産に出会えるなんて奇跡的な出会いだ。
しかも、道路工事用のライトチューブのLED灯で。
先入観は捨てなければいけない。
仲間たちにラインをし、
少し冷静になってからノギスで軽く
測ると44mmオーバーくらいか。
これも軽く測っただけなので、まだ縮むかもしれないが、
デカ♀であることには間違いない。
ちなみに私のオオクワ♀ギネスは10数年前にもっちゃんパパと
採った南会津産45mmである。
ついでに言うと千葉県産のマイ記録は42.2mmだ。
時刻は23時を回る。
わくわくしながら追加を求めて夜の信州をひた走る私。
ケースには珠玉のオオクワ♀が入っているので、気持ちの余裕がある。
その後もオレンジ灯やLEDでノコギリやコクワがコンスタントに拾える。
新潟といい長野といい、LEDでもクワガタが採れる。
▲LED外灯の下を歩くノコギリクワガタ
最近はLEDでも、なぜだか採れるようになったと言うクワ友は多い。
実は10年以上前から親しい仲間うちでは
LEDでもクワガタが採れる、オオクワだってという話は知る人ぞ知る事実だった。
ただ、当時は取りあえずは黙っておこうという風潮があった。
現在は多くの方が経験している事なので改めて言う話でもないが、
中には知らない方もいると思うので、ここに記しておきたいと思います。
(もちろん、水銀灯やオレンジ灯に比べたら採れにくい事には変わりありません。
ただ昔よりはLEDでも拾える。それは何となく感じている)
↓参考にして下さい
なんやかやと時刻は午前0時。
初モノも採れたし、今日は昼間から動きっぱなし。
私は寝床となる道の駅に向かった。
新潟にいるセキネさんはところどころ雨で見ずらく外灯回りは厳しいとの事。
(この夜はライトトラップはやらなかった)
明日は遠征ラスト。
もう1晩、長野県各所を回る予定だ。
▲翌朝撮影の長野県産オオクワガタ
8月27日外灯回り成果
ノコギリ 7♂♂4♀♀
コクワ 5♂♂2♀♀
オオクワ 1♀